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こうさぎましろの部屋  〜 投稿順表示 〜


[41] 憂うつを手放すその前に
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発作みたいだよ

笑っては思い出し
泣いては笑ってを

繰り返して
充血した瞼に言いたいことを貯めこんで

最後にもう一回
電話しよう

落ち着いたから話そう

話をしよう

あなたのお陰で忘れられた人がいました

あなたのお陰で自分に素直になれました

あなたのお陰でずっと楽しかった


友達のままでも
次の恋が見つかるまで
無理やり忘れる必要なんてないと思う

そっと抱く脇差し

そんな優しさを秘めて

2008/07/28 (Mon)

[42] カラッポ
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昔ワタシの躰が
プラスチックだった時、

白亜紀の恐竜が流した涙を元に
ハートを作った

何年かたったら
今度は空ビンに

誰かがその愛しい誰かに宛てた
手紙をいれた

心が丸見えだったあのときそんなときより
今の躰は大分見えにくくなったみたい

泣きたいときに泣けるけど

心が誰に見えますか?

苦しみを叫べる躰を持ったのに

中身を取り出すことはできないんです

偏頭痛で現実に引き戻されて

人って寂しさで死ねるな、と
ふと思った。


2008/07/30 (Wed)

[44] B型的彼女
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君が苦手なのは
歯に絹を着せるとか、
言葉をオブラートでくるむとかそういうこと。

白黒はっきりさせたいんだろ?
過去を持ち出して荒治療

恋愛相談に泣いてしまう君を見ると

僕だって萎えてしまう

「“ありがとう”以上の言葉を言ってあげられないよ」

精一杯の意味を僕にこめて泣いたんだ


気まぐれだといいながら
いつも元気に振る舞うけど

君の心中
どれだけ痛いんだろう

そんなに強くないこともわかって

僕はそばにいたよ

君はそれに気づいてしまったの
涙に浸かる瞳

救い出してあげたいと一番思うのは
僕以外いないでしょ…

コーヒーの温度は96℃、
袖のボタンは必ず閉めてる

完璧主義なA型の彼女は

なぜか不完全なアイツを愛した


2008/08/01 (Fri)

[45] はねむしの遊歩道
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雨おちる午前
アスファルトの湿ったにおい

とうもろこしが
おくるみに抱かれた赤子に見える

あねもねは露を浴びて
しおらしく、しおれている

夏の歩道に散りばめられた
はんてん模様の落葉

二枚対になった蛾の死骸

踏まないように避けて歩く

天分を全うせよと誰かがいった

右手は握りしめすぎて痺れてしまった

左手に掴んでいる裾をやっと離せたのに

足元を蛾が這い蹲るようにして
横切る

死にかけているの?

立ち止まって見送る

どうして生まれたの?

意図すらもわからない質問が浮かぶ

寂しくしていると
あの人がくれた少し高価な菓子
あれが急に欲しくなった

痺れた手は離すのを怖がっているだけ

もういいよ
もういいのよ?

傘の骨に
雨滴がつたう

右折した車がじりじりと
ゆっくりと横切るワタシを見送る


2008/08/02 (Sat)

[46] オモイダシナキ
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朝になってせっかく忘れたのに
夜になれば思い出す
泣き方のレシピ

創作意欲を枯らすことなんてないの
感傷の渦のなか
真夜中をめぐる洗濯機

アイスを食べたあとだから
冷たくて甘いキスだよ
君のほっぺたはやわらかかったよ

溶かし出す思い出
こ洒落たハットは
ニヒルな微笑み


2008/08/14 (Thu)

[47] よるを落とせ
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空をたたいて
星を振るい落とすよ

始終一緒にいるより
1日の終わりに君にあいたい
そしたら世界の終わりにも会えるのかな

それなら受け入れられそうだよ
どんな悲しみも

言いたかったこと
必要ないふりして

飲み込んでいたから
いつのまにか何が言いたかったのか
わからなくなった

“教科書62ページを開いて”

結局は忘れてしまうのに
なにかを覚えるのはばかばかしくて

君のことだけ覚えていたらいいやっていう日々に

なにか忘れ物をしてきた

62ページに残された落書き
大好きだよ…だってさ

違う二人が“付き合ってる”
実はとても難しいことなんだろな

友達って言う君

気まぐれに泣いた夜に
もう一度空をたたいて

2008/10/28 (Tue)

[48] グレーゾーン
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上手いキスの方法なら
彼が良く知ってる

愛がなくても
愛してるみたいにキスをしたらいいの

上手いキスの方法なら
私が覚えてる

今はやりの流行色はグレー
白でも黒でもない

メンズが好む関係

気づかないうちにこぼれた
海と同じ濃度を持った液体は

水に自由に浮かんでいた
サカナの本能を呼び起こす

いつ終わるかわからないんなら
恋人とそう変わらないんでしょ

私たち、飾り気ないよねぇ?

まだ君に全部あげてないよ

初めて一緒に過ごした夜に
あなたの香りに包まれながら

もし、私が明日から
いなかったことになったらどうする?

って聞いてみた

君がなんて答えたかはうろ覚え

でもその次の日からは君なしで生きている

冷たい空気に張り付くように
素肌が記憶した
強く抱きしめられた感覚だけ残して


2008/10/29 (Wed)

[50] ときどきなみだ
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今あの人に会わせてくれるなら
私の明日を全部あげる

今あの人が優しい言葉くれるなら
今までの幸せを全部あげる

今あの人が抱きしめてくれるなら
誰かが抱える寂しさすべてを身代わりになってあげる


どうして私だけがこんなに好きなの
もう大丈夫だと思ってたのに

なぜ思い出して泣くの

なにも変わらないはずだった明日に
不安がうまれるのはどうして



2008/11/19 (Wed)

[51] 寒天
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寒い天から落ちます


パラパラ粉雪は
朝になったらふやけて


あなたのその、
ただの優しさが
何十倍にもふくれあがる


ストローで吸い上げるみたい
されるたび
もっと欲しくなるキス

黙ったのは
どうしようにも答えようがなかったから


あなたの前で
真実も嘘もいえなくなって


不安に思っていいほど
完全な関係でもなく

当たり前の水を貰えるだけで
私は大きくなってしまう


2008/11/26 (Wed)

[52] つよがり
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一言、こぼした

聞けないことが
こぼれた

確信ついてしまって

痛い目みるのは私だから
曖昧にするの
馴れていたのに。


二言、こぼした

あなたは“ありがとう”以上を

言わないのに

顔を見られないように
首にかじりついた


三言目は留めた

これ以上
口が邪魔をしたら

涙をこぼすことになるでしょ

一緒にいるから笑っていたいの…


口塞ぐ間
瞳を開いて、あなたの向こう側を
睨んであげた


なみなみで溢れそうな、明日を。

2008/11/26 (Wed)
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