詩人:番犬 | [投票][編集] |
もしもの話なんだ
今感じてることを聞いてくれ
もしもブラザー
お前が五体不満足の人間だったら
うまく歩けないことも
うまく喋れないことも
うまく食べれないことも
うまく立ち上がれないことも
しかたがないけども
人はお前を笑うだろう
公にではなくとも
心のどこかで憐れみと蔑みのナイフを
お前の背中に突き刺すだろう
単なる想像の上での話なのに
俺は悲しくなる
想像で済めばいいだけのこんな世界が
現実として横たわっているのだから
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地図に表せば
たった少し
2、3ミリの線の為に
多くの砲弾と
多くの肉片
多くの年月を重ね
憎しみとなり
それらが飛び散っている
学校は学校ではなくなり
重火機の引き金の感触と
戦う為の歴史が
そこにあるだけだ
荒れ果てた山岳が墓場
望まれなかった暴力と
望まれなかった妊娠
双子みたいな悲しみが
すがりつく私生児のように
未婚の母を見つめている
弱い者の抵抗をテロと呼び
強い者の支配を対テロ戦争と呼ぶ
こびりついたプロパガンディズム
炎の温度は上昇を止めないが
人の情熱は冷めていく
昔の夢の体温も冷めていく
勇猛なチェチェンよ
お前の国は勝つのだろうか
後悔はしないのだろうか
そこまで失ってでも
勝ち得たい物の正体を
豊かな国の人である俺に
抵抗を忘れた人である俺に
教えてはくれないか
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窓を開けろ
抜け出せ
息を切らせ走るんだ
躊躇するな
お前は鋭い
そして闘える
お前だけの歴史を積み上げろ
YOU HAVE TO MAKE HISTORY BY YOURSELF
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マザー・テレサ
この国はどうかしちまってる
マザー・テレサ
無関心が多すぎるぜ
マザー・テレサ
優しさがないんだ
マザー・テレサ
人を見ようとしない
マザー・テレサ
無関係であろうとする
マザー・テレサ
残酷なんだ
マザー・テレサ
この国こそがシシュババンだよ
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砂浜清掃
ゴミを捨てるな
排気ガスを出すな
二酸化炭素を減らせ
オゾン層が危ない
…
ブラウン管から聞こえてくる声
見える顔ときれいなスーツ
透き通った声の解説者
彼らの指先は美しく
そして汚かった
ある日の昼
ある街の風景
ゴミ拾いをする婆さんを見かけた
しわくちゃの顔
干からびた指先にゴミの汚れ
最高に汚く
最高に美しかった
お前にはなにができる?
詩人:番犬 | [投票][編集] |
なんでもいい
作ろうじゃないか
粘土でも絵の具でも
音楽や文学でも
ちっぽけな魂のベクトルで
ただシンプルに
ただシャープに
なんだっていいんだ
まずは作ろうじゃないか
詩人:番犬 | [投票][編集] |
一つの部屋
一つの電球
一つのテーブル
一対の座椅子
一対の皿
一対の茶碗
一対のコップ
一対の歯ブラシ
一本のギター
一本のナイフ
一つの枕
一つの夜が訪れ
一枚の毛布にくるまり
一つの朝を迎え
一つの決意をする
一対の靴をはいたら
一人の恋人に会いに行こう
一つの花束と
一つの指輪と
一つの言葉と
数えきれない愛を持って