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番犬の部屋  〜 新着順表示 〜


[18] 無題
詩人:番犬 [投票][編集]

新しい理論が欲しいならば

1%の勘と閃きを要する

99%の経験と知識がそれを支える

つまりは10を見て始まり1を推測する

10を見て7では所詮表面の薄皮だ

5や6を知った所で根本は覗けない

1がどんな選択肢を与えていたか

1でなにを選択したのか

これが始まりで結果とも呼べる

どんな必然を考慮に入れるか

それが知識と経験だ

判断しようがない事柄は勘と閃きに預ける

推測の人間行動学

新しい理論を知りたいなら

人間の根本を覗くがいい

2006/11/12 (Sun)

[17] 無題
詩人:番犬 [投票][編集]


お前は自分を戒めているか

お前は自分を律しているか

酒を飲み

タバコを吸い

車を運転し

セックスをしてもな

自分の戒律を持たない人間は

大人を装ったただの子供だ

勘違ってくれるなよ

2006/11/11 (Sat)

[16] 無題
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淀んだ深みで

ひとしずく

大気が揺れた

心の奥で

閉じ込めた多くが

嘆いては諦め

信じる先もなく

途方もない虚無感

歯を削り

すり潰した苦味

とてつもない苦味

こんな絶望があるとはな

世界よ

教えてくれてありがとう

2006/11/08 (Wed)

[15] 無題
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詩を書くのに技術はいるのか?

そんな物は知らない

技術を持っているかと問われれば

そんな物は持ってないと答える

しかし必要な物は持っていると答えよう

消しても消しても消えない炎が

ペン先に宿っているうちはな

2006/11/04 (Sat)

[14] 無題
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奴らの目玉を抜き取れ

奴らは決して変わらない

奴らの鼻を奪え

奴らは決して変わらない

奴らの足をもぎ取れ

奴らは決して変わらない

奴らの腕を切り落とせ

奴らは決して変わらない

奴らには最初から意味がなかった

生きていく上で必要がないからだ

利己的感情で生きてる限りは

2006/11/04 (Sat)

[13] 無題
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一日中ターンテーブルの

灼けつく音を耳に傾けていた

朝日が夕焼けに変わるのも気づかず

心地良い空間の無重力にレコード

ケミカルと煙とパイプの煤とオールドスクール

そしてあらゆる種類の音楽の裾野

そこに立ち尽くす

ヒップホップやメロコア

グランジにヘビィロック

HR/HMにパンク

レゲエとオールディーズ

フォーク カントリー クラシック トランス

現時点で興味をくすぐるのはブルース

一本のギターと空白の凌ぎ合い

聴くというよりも見つめてる

音符の流れと時代の残り火を

何を思う訳でもなく

何を隠そうとする訳でもなく

数年も経てば古臭くなるような

そんな音や言葉に揺られながら

ただ一日中レコードから立ち上る

焦げついた臭いに人間を感じてた

2006/11/04 (Sat)

[12] 無題
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俺は余裕を持った人間だ

実際には自分を成長させる為には

極楽よりも苦境を選ぶべきなのだが

選択肢が存在する時点で

俺はおそらくは余裕を持った人間なのだ

余裕は成長を阻害する栄養剤

身の回りの全ての空間が

それに満たされてしまった

2006/10/30 (Mon)

[11] 血脈
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あんたの
エンジンオイルにまみれた腕が好きだった



そうだ
好きだった

今でもそれは変わらない感情で

おそらくこれからも同じだろうよ

自動車整備があんたの仕事だった

何度か覗いた事がある

まあお世辞にも綺麗とは言えない町工場で働く姿

金属と金属の擦れる音や、FMラジオから流れる曲が響いてた

あんたは黄色のつなぎを着て、オレンジ色の安全靴を履き、大きなスパナを片手に、首に掛けてるタオルで汗を拭ってた


そして年中変わらぬ寝癖の髪型で
うちに帰れば下手くそな鼻歌

ガソリンとタイヤとオイルの匂いが漂う背中

そして笑いジワを深く刻んだ顔が、どんなに粗末でもいい
どんなにちっぽけでもいい
背負える物が在るというだけで
人生は幸福なんだと教えてくれた

だから一秒一秒、胸を張って生きていける

俺はあんたの息子だから


俺とあんたの、血脈なんだ


あんたのような父親を誇れない息子がどこにいるだろうか

父よ

あんたが俺を初めて抱いた年齢に、俺も近づきつつある

いつの日か子供が生まれても不安はない

抱き方はあんたから教わった
アゴひげの押し付け方も、遊び方もあんたが教えてくれた

そして愛し方さえも

全部

全部だ

あんたが教えてくれた


この体、心深くに静かに

なによりも強く流れる血脈

俺はいつまでもあんたの息子だ

2006/10/27 (Fri)

[10] 無題
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たとえばの話

100個ほどの笹の舟を編んで

近所の川に浮かべるんだ

大きさはなるべく同じで頼む

舟主として蟻を一匹乗せよう

現実的には蟻はすぐに逃げるので

これは不可能な誘いなのだが

これはたとえばの話であるから

あまり気にせずに想像してほしい

笹の舟たちは同時に放ってくれ

そうだ

遅れやフライングがないように

慎重かつ平等なスタートでいこう

川面が光の粒子を反射

高い所から低い所へ

水が落ちる透明な音だけが響く

笹の舟たちはゆっくりと動く

蟻はじっと前を見つめてる

何艘かの舟は転覆し始めたが

上手く流れに乗った舟は止まらない

だが

その数は絶対的に少ないのだ

99個の笹の舟は川底に沈み

最後の最後に残った一つの舟の

小さな主は何を思うだろう

運命に選ばれた幸運を喜ぶのか

誰もいなくなった孤独さを嘆くのか

人間はどうだろうか

俺は…そうだな…

おそらく後者だ

2006/10/22 (Sun)

[9] 無題
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この丸みを帯びた細いボールペンは

宇宙線の波間に散らばった

星間の距離を描くために在るのではなく

偉大なるアルキメデスやソクラテスの

その哲学を描くために在るのでもない

この地上のどこにでも在るような

廃材や店舗や土埃の隙間の

一枚の草の葉を描くために在るのだ

風に吹かれては寒そうに震える

その一枚の草の葉を描くためだけに

2006/10/12 (Thu)
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