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番犬の部屋


[42] 街の路上で 下
詩人:番犬 [投票][編集]

街の路上で思ったんだ
見飽きるほど見上げた星のない夜空を
街の路上で思ったんだ
街灯の切なさがやけに輝いてる

街の路上で思ったんだ
この世界全てが俺にとっては
街の路上で思ったんだ
月だけが見守る孤児院なんだと

街の路上で思ったんだ
宇宙の命は長いけど
街の路上で思ったんだ
この冬を越えられない寒さの犠牲者を


街の路上で思ったんだ
街の路上で思ったんだ
街の路上で思ったんだ


すり減った靴底に穴が空くまでは
まだまだ歩き続けなきゃならない
この街のどぶ川の匂いや生き物や
光の交差点と明け方のスピリットや
くたばってしまったちっぽけな虫けらや
逆らい続ける奴だけに見えるビートや
ピートの香りがきつめなモルトで
俺はまだまだ流れていきたい


街の路上で思ったんだ
踊る事に疲れきって向かう先は
街の路上で思ったんだ
とても冷たい路上の温かさだって

街の路上で思ったんだ
干からびたポスターと枯れ草は
街の路上で思ったんだ
この冬に捧げる秋の名残だ

街の路上で思ったんだ
夕暮れって奴はいつも泣けてくる
街の路上で思ったんだ
月は全部を見ているのかなって


街の路上で思ったんだ
街の路上で思ったんだ
街の路上で思ったんだ


俺は世界のどこにいるんだろうって


2006/11/21 (Tue)

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