詩人:番犬 | [投票][編集] |
銀色の月の下でアイアン・サムがバズを鳴らす頃
俺はアコースティックギターを抱えて
ホテル・メトロポリタン近くの地下道で
名も無きブルースを奏でているだろう
幸せそうに歩くサンチェスのリーバイス
ポケットにはパンパンに
たくさんのありがとうが詰まってて
こぼれたり手渡してたり
あるいは投げ捨てたり
少しのハンデを頭に抱え持ち
慰めと憐れみを身に浴びて
その日暮らしのその繰り返しで彼は今日まで生きてる
ドルトムントの街並みでよく見かけた
ジョイントを掲げ行進するモスキーノ
プラカードにはワーキングプアの問題や
外国人排斥や同性愛への差別撤廃や
手厚い生活保護の請求が
彼らの不満よりは小さく
そして施政者に届くであろう声は小さく
しかししっかりと刻み込まれていた
1000の権利を欲しがって
1の自由を犠牲にはできず
かといって黙っていることもできず
ただ月だけが黙って見ていた
本当に月だけが黙って見ていたんだ
逆らうことに命を賭けた
どこか遠くのアナーキーやバンダリスト
お前らの話を耳にするたび
この傷ついた心に戦う力が湧いてくるんだ