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番犬の部屋


[68] 闘志
詩人:番犬 [投票][編集]

銀色の月の下でアイアン・サムがバズを鳴らす頃
俺はアコースティックギターを抱えて
ホテル・メトロポリタン近くの地下道で
名も無きブルースを奏でているだろう
幸せそうに歩くサンチェスのリーバイス
ポケットにはパンパンに
たくさんのありがとうが詰まってて
こぼれたり手渡してたり
あるいは投げ捨てたり
少しのハンデを頭に抱え持ち
慰めと憐れみを身に浴びて
その日暮らしのその繰り返しで彼は今日まで生きてる

ドルトムントの街並みでよく見かけた
ジョイントを掲げ行進するモスキーノ
プラカードにはワーキングプアの問題や
外国人排斥や同性愛への差別撤廃や
手厚い生活保護の請求が
彼らの不満よりは小さく
そして施政者に届くであろう声は小さく
しかししっかりと刻み込まれていた
1000の権利を欲しがって
1の自由を犠牲にはできず
かといって黙っていることもできず
ただ月だけが黙って見ていた
本当に月だけが黙って見ていたんだ

逆らうことに命を賭けた
どこか遠くのアナーキーやバンダリスト
お前らの話を耳にするたび
この傷ついた心に戦う力が湧いてくるんだ

2007/02/18 (Sun)

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