詩人:1986 | [投票][編集] |
帰りが遅くなったので、
怖いなぁと歩いていたら
街燈のない道に出た
月明かりしかない
裏道のような目抜き通り
急ぐことも
迷うこともない
怖いことも何もない
地図さえない平和な道を
僕は一人 一人 ひとり…
気がつくと
あたりには街燈がともり
家の光があふれる道路
いつもの
少しだけ危ない夜道
月を見上げながら
僕は家路を急ぐ
詩人:1986 | [投票][編集] |
君の声が聞こえた 僕は
勘違いしていた
まだここにいてもいいんだと
眠っていいんだと
青い部屋に沈む吐息は完璧で
僕の心に射す夢を支配していた
さよならの歌が流れるとき
涙の中で
手を振る君がいたことを
僕がいたことを
恋は何も強くしなかった
なびく稲穂の波を眺めながら
立ち尽くし
立ち尽くし
声は枯れ 草木も枯れ 細く細く
その続きはここで視て 泣いて
愛されたことを 抱かれたことを
背中の温もり 傘を差す腕と硬い唇と
聞き取れない声 遠く叫ぶ
眠ること
目覚めてから喋る
白い部屋で羽の舞う部屋で