詩人:音羽 | [投票][編集] |
淀んだ景色の中に
白く光る石を見つけた
その石は何ものにも傷つけられることなく
ただその存在を謳っていた
驚く程に鮮明なその光景は
記憶の中だけに刻まれて
現実なのか夢なのかさえも不確かなままだ
そうだ思い出した
その石を拾った少年を
少年は石を拾い上げると
喜びとも悲しみともつかぬ表情で手の中を見つめる
そして記憶はそこで途絶える
その先どうなったかは誰にも分からない
選ぶ事ができるのは今前を向いている者だけ
気が付くと手には光る石を握っていた
少年の目をした大人はその足をゆっくりと前に出した
詩人:音羽 | [投票][編集] |
ふと誰かが思った
「死にたい」って
でもその世界の裏側で誰かが叫んだ
「生きたい」って
また誰かが「幸せ」だと感じた時
遠くの誰かは涙を流し「幸せ」になりたいって嘆くんだ
70億コの感情が飛び交う世界で僕らは生きてる
毎日が誰かの誕生日で、毎日が誰かの命日でも
僕らはそれを祝うことも悲しむことも出来ないから
だからただ精一杯生きることで、僕らはバランスをとる
僕が生きられないなら君が生きれば良い
君が生きられない時は僕が精一杯生きるから
いくつもの生と死が折り重なったこの世界で、僕たちはただ「生きる」という責任を背負って歩いている
それだけが僕たちに出来る最善の言葉になるから