ホーム > 詩人の部屋 > umiの部屋 > しわしわの手

umiの部屋


[5] しわしわの手
詩人:umi [投票][得票][編集]

患者さんが手を差し延べた。
私は何も出来ない。
心が真っ黒で博愛の精神なんかいつの間にか何処かに置き忘れた。

それでも患者さんは私に手を差し延べる。

ただ涙がでるだけだった…
こんな私が看護師していていいわけない。

自分の心さえ救えないのに…

患者さんはそれでも私に手を差し延べる。

まるで何もかも見透かしていて
全てを許してくれているように…

2008/12/16 (Tue)

前頁] [umiの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -