患者さんが手を差し延べた。私は何も出来ない。心が真っ黒で博愛の精神なんかいつの間にか何処かに置き忘れた。それでも患者さんは私に手を差し延べる。ただ涙がでるだけだった…こんな私が看護師していていいわけない。自分の心さえ救えないのに…患者さんはそれでも私に手を差し延べる。まるで何もかも見透かしていて全てを許してくれているように…
[前頁] [umiの部屋] [次頁]