詩人:noa | [投票][編集] |
酸素の泡を舐めとっては吐き出して、そんな繰り返しで繋げる汚い鼓動。
じゅくじゅく、と溢れた膿が固まって、朝焼けも濁って映る両の目玉。
頬張った両親を味わうことなく飲み込もうとしている最中で、唇の端から這い出て来て【i love you】と告げる母の右手を噛み砕く。
踏みつけた、恋人の顔。
昨日わたしを抱きながら、彼もだらしなく母と同じ呪文を唱えた。
膨れた体を引きずってわたしは海を探す
誰にも傷つけられることなく傷つけ続けた体を引きずっては、海を探す
母なる海などと誰が言った
見上げた淀んだ空に、さっき噛みちぎった【i love you】を吐き出すと、それはそのまま少し歪んで墜ちてきた、
愛しい血が固まって、巧く表情を作れないわたしの頬へ。
あ、あ
あ
へにゃへにゃな顔をして、
わたしは泣いた。