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椿 みなと(元 華々)の部屋


[119] 魚っこと笹舟
詩人:椿 みなと(元 華々) [投票][得票][編集]


なんだいなんだい
どうしちまったんだい

拭っても拭っても
あたいの目から
しょっぺぇ水が
流れてくるでねぇか

あたいの目は
海になっちまったのかい

おいおい あんた
あたいの目ん中
見ておくれ

ちっちぇ魚っこが
泳いでないかいね

あたいのでっこ
こづいて笑ってねぇで
よーくよーく
見てくんちぇ

おうおう
ちっちぇ魚っこが
泳いどる泳いどる

ほんとかい?
そりゃあ大変だぁ

あたいの
しょっぺぇ水に
ちっちぇ魚っこ
流されっちまう

あたい
ちょっくら
そこの川まで
行ってくらぁ

魚っこ待っとれよ
もうちっとの辛抱だ

魚っこ
聞こえてるかい
あたいの目から落ちる
次の水に入って
この笹舟さ入れなぁ

そして
ここの川ずーっと下れば
おめぇの故郷だ
気ぃつけてくだれなぁ

もう
あたいの目ん中
戻ってきたら
駄目だかんなぁ

なぁ魚っこ
おめぇにひとつだけ
頼みてぇことがあんだぁ

あたいの
おいちゃんの眠る
海さ着いたら
こう呟いて欲しいんだ

とっつぁんも
かっつぁんも
おとともいもとも
みぃんなみぃんな
元気に暮らしとる
安心せぇと…

ちっちぇ魚っこ
頼んだよ

おめぇも
達者で暮らせなぁ

ほんにほんに
ありがとなぁ


2009/11/15 (Sun)

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