詩人:リコ | [投票][編集] |
縦に縦に
開きっ放しの目には
いつもの世界が映る
ひどくエゴイストで
悲しい
エレクトリック
ハウスミュージック
インダストリアルテクノ
オーケストラ
あらゆる世界
飛び越えた
彼女のミュージックが
そんな小さな私を少しだけ
柔らかくする
貴女から生水を得た
始めてピアノに触れた時
貴女はどこで奏でていたの
場所では無い
深い深い精神の修行場
始めて喉を震わせたのは
貴女の産声
その時なのかしら
瞬間瞬間
彩り自由自在に変わる貴女が
ひとつの作品ならば
貴女の溜め息も
泣き声も
激しい憤りの声も
愛せる気がする
馬鹿みたいって
笑わないでね
偶像崇拝?
違うの、そんな風に
言わないで
わかるでしょ
ファン意識など
端から無いの
チャイニーズガール
雪の道
舞いながら
歌いながら
走る
家路まで
黒髪を揺らして
木々と葉の擦れる音
小鳥の羽がばたつく音
鼻の大きなおじさんが
もくもくと雪かきをする音
海の向こう
街で飛び交う銃声
子宮の中で小さく心臓の始まる音
唇と唇が触れる音
シンバル弾け
ギターを弾けない青年の泣き声
誰だって皆最初は可愛い
誰だって皆最初は可愛い
不格好に実った
全ての果実を
もぐように
種に戻れと
白黒映画の赤い少女の服みたいに
名前の無い希望が
私の精神に広がる
この指はまだ何も知らない
この頭はからっぽで
この目はまだ膜越しにしか
見えていない
貴女から産まれた
創造物に触れる
ちくり
ぞくり
触れた指は
優しい血を流す
横に横に
開いた目
私を取り巻く一切が
姿を見せる
不気味で
恐ろしい
ごつごつした
不思議な
生命の交錯が
美しいに変わる
歌いながら戻るの
この世界に
降りたばかり
泣きながら
へその緒を切って
洗礼を受けたあの日に
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ガラス越し
老人の歩幅とEmの音色が
見事に重なる
優しい夕暮れ
単純なストロークで悲しみを
繰り返し繰り返し
もうこれしか聞こえない
誰かの泣き声を
聞いてた耳は
どっかに置いてきた
幾度も
悲しい夜
震えながら
独りぼっち
懺悔を繋いだ
7文字の祈りは
いつしか
あの子の
お菓子の様にやんわりとした笑顔を
再び
私の元に帰してくれるのでしょうか
憎まれ口も平気
笑われたって大丈夫
どんだけ泣いたって
涙は必ず乾く
だのに
濁流がこの部屋に溢れ
テディベアが逃げる
私の口の中に
泥水がどんどん入る
テディベアはどんどん逃げる
綺麗さっぱり
誰もいない
この部屋
私の口の中に
泥水がどんどん入る
テディベアはどんどん逃げる
どんどん距離は広がって
ガラス越し
老人はもうどこかへ
見上げた空
もやもやした灰雲を
連れ添い流れる
透明には
決してならない
透明になど
決してなれない
私達は
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変人ぶるつもりは無いさ
GAINメモリ最大
ラットも被せて
歪みの中に隠すつもりだった
下手な演奏と
それ以前に
僕と言う下手な人間を
0にしたら
全部わかってしまうだろうから
生産されたばかり
限り無く君を想った
言葉をチョイス
希望とは名ばかり
失望と距離
僕らの間
猛スピードで
駆け抜けた
あの頃の時間を
弾き壊していった
あっけなく
さようなら
あの頃など無かった様に
過呼吸にもだえながら
僕と言う下手な人間
独り、ただ独りで
あんなの
続けていく自信
僕にはもう無かった
あっちで
こっちで
絶えいく物が
あり過ぎて
様々な論理
浮かんでは消えた
君は僕の事、
笑うだろうね
お前なんかに
お前なんかに
これが君の口癖だったね
僕なんかに
君の過ごした時間が
わかるわけないだろう
僕は神父じゃないんだ
ただ君の前で
ちょっとかっこつけて
正義に溢れたフリをしていただけなんだよ
笑えるだろう
笑ってくれよ
水鉄砲じゃないそれの音
こっちに来るなと
耳を塞ぐ
あっちでこっちで
絶えいく物があり過ぎて
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容赦無く
噛み付くはずだった
あの子が
まばたきする間もなく消え去って
失った全体を
取り戻す様に
手のひらで
空気を掴む
途方に暮れる時間だけは
贅沢にも
ふんだんに与えられていた
吐けるほど食べていける僕等は
心とは何か
そんなお話しを
してくれる大人がいなくて
艶のある
笑い仮面
毎日毎日
ずれる事無く
顔にはめて
輪の中の複数
笑い仮面と共に
不幸自慢
幸福自慢
選ぶはめに
“どちらにしても
自慢は気色悪い物だよ”
あの子の
リアリズムは
テレビの中だけ
インテリめいた
ロックバンドを眺める様で
さっき食べた
チキンを吐きだしてしまいそうだった
迷えるくらい
道のある僕等は
どれにしても
人間臭い
悲しい音楽
背中にしょって
それぞれの歩幅で
進んでいくんだろう
噛み付くはずだった
あの子の権威
ピンク色した不幸自慢
悲しい音色ばかり選ぶ
僕等の背中
その
痛かった痛かった
傷跡を
舐める舌が
僕には無かった
そして君にも
噛み付く術は
ムラサキ色した
幸福自慢
君を遠ざけるには
十分過ぎる振る舞いだった事だろう
ただれた手術の跡
隠すべく
花びらを散らせてみせた
ずれる事無く
はめられた
笑い仮面
不器用な喋り方は
滑稽だった
どうしてこんなにも
うまくいかないんだろう
涙はもう
乾きましたか
流血はもう
止まりましたか
ラジオの中から
君に聞けたらいいんだけど
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にわかなオツムで
お腐れ便宜をご披露
望みは絶えた
ファックの意味
知らずに叫ぶ
可哀相ごっこする者
手のなる方へ
集まった彼等
どんぐりの背くらべ
サメタあたしは
ずっとずっとそれらの行く末を眺めていました
そこから遠く離れた
古いアパートの一室
白い女が
不器用に呼吸をする場所
生まれてからの
苦味としょっぱさ
リフレインしながら
黒いギターとセックスをする
楽譜とシールドと空き缶
自身を照らし合わせた様な
狭い狭い6畳で
祈る様に
歌いながら
朝が来ても大丈夫よと
腫れたおめめを
前髪で隠して
やがてまた降りかかるだろう苦難を
すり潰して
昨日の残りの
ビールと一緒に
飲み干し
ヒステリックは
滑稽で
報われない
無数の魂を
また歌いながら
浄化していく様に
どんぐり達
見えなくなるまで
手を振った
安全地帯
辿り着くまで
見送った
美味しい話には
興味がないのよ
SHCOOLになったら
ボリュームを上げて
何もかも
糞ったれよと
弾き壊すだけ
垂れ下がった
視線はいらない
神様もアイドルもいない場所で
黒いギター
狂った様にうなる声
いつだって
貴方だけが
変わらぬ紳士でいてくれる
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たった1行で
済まされた懺悔
たった1枚で
済まされた御慈悲
心無い人間様の足音に現実的に怯えて
青白く震え出す
毎度の事ながら
厄介な塩梅
拒絶反応を
悟られぬ様に
こっそり退散
こべりついた
人間様の臭い
拭い去るのに
一体どれほどの月日がかかるのだろうか
知らないけど
右手で連打された
消音ボタン
噛み付いて
リモコンとその手を
引き離してやったのよ
音の星に生まれたのだから
その手は
弾けてる指であって欲しい
そしてその手で
愛撫されていたい
くだらない性癖
オレンジアンプに
縛り付けて
朝になっても
そのままで
この心が安らかになるまで
高速に乗せて
海沿いを走れば
毒吐きギャラガー兄弟の
優しいメロディが
人間様の
下品な笑い声
かき消してくれるから
愛し過ぎる
奏で出したその指
ギブソンの音色に
上も下も濡れて柔らかくなっていく
心さえ無ければ
こんな思いはせずに済んだよ
心さえ無ければ
もっと器用に
走れただろうよ
音の星は
心の粒子で溢れ
アンテナを折れないまま
心を音に返す奴等が
いつだって足りない
中身の無い
パフォーマーが多過ぎて
きらびやかに
パンクロックは
完全な名目となって
名利の果てへと朽ちていく
ゴージャスソフィスケイトまがいの
糞ったれなパンクキッドに
投げ付けるのは
卵でも
罵倒でも
説教でも無く
歪み返しのエレキな音だけ
心の詰まった
ノイズに似た妙薬を
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憎まれず
罵られもせず
感謝の飴玉ばかり
頂ける
“善”
が存在するならば
一番に教えて
このあたしに
嫌な鳥肌が全身に走ったの
本当の善は
いつだって
疎まれ
憎まれ
嘲笑の中でしか
実らない
温い愛撫では
氷は溶けない
自身の氷山が
そびえたつから
それ打ち砕く様に
他人にも
与えてきた
笑われながら
いつだって
疎まれながら
高熱の慈悲は
必ず疎まれる
前しか向けない善人様には
地べたではいつくばる虫達の声など
目にも耳にも入らない
こんな世界で
他人と共に
同苦に喘がない
善人がいるなら
連れて来て欲しい
誰かを心底想う度に
氷山はどんどん大きくなっていく
温い愛撫では
氷は溶けないの
綱渡りの要領で
即席の希望で
先人の物まねで
マニュアル本片手で
自ら手足を汚すこと無く
片手間に
出来ると言うの
彼等の暗闇の霧
祓う事
出来ると言うの
今絶望の淵で
過呼吸に悶える
あの子達を
寒々とした冬山に追いやる
見おろす貴方は
金色に光る仏様ね
苦を知らぬ偽善者達
メッキを剥して
張りぼて倒して
その足で
あの子達のいる
暗闇まで
行けたら
聞かせて
貴方の知る
善ってなにかを
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ザラザラ
口の中
キンキン
耳の中
ガンガン
頭の中
ズンズン
子宮の中
愛はどれか
考えている
床から見上げてくる
歪んだ女の顔
破れたカガミは
嘘つきの反対
正直なのね
血走った眼
赤い鼻
白い肌
肉体の彩りは
ベーコン気取り
けど
いくら塩水を流しても
それは透明だから
まるで私を反映などしない
原色の狂い咲
滲む黒は水に溶けない
自己二行略説
だから
この塩辛い現象は
私の証明では無い
じゃあこの
一部は
新しい何かを生みそう?
ぐっとくる
小豆色した闇
ぐんぐん迫り
誰もいない
気持ちいい
筆を握るか
楽器を抱くか
材料揃えど
何にも出来ない
笑えるくらい
何にも出来ない
繋がる
肉体
拒まない
繋がる
心
悲鳴上げ
コンコン
心の中
鍵穴から
針出して
あっちいけ
あっちいけ
遠ざかる足跡
静かになったドア
鍵などかかっちゃいないんだけど
ボソッと呟いて
ドアに背を向け
創りかけの絵が
不細工に睨み
私を焦らせ
また両目は濡れていく
濡れては乾くを
繰り返す
この肉体は
強いのか
弱いのか
筆を持ち直し
考えている
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人差し指の
爪噛んで
オレンジな部屋で
感情の塊を
見下ろしていた
布団にくるまる
女の人の
呟く一言
「オカアサン」
それとなく
聞いていたけど
髪の毛も
疲れた顔も
真っ白な布団も
窓から射す
夕焼け色に染まって
貴女の悲しいを
一層
彩っていた
今
私、
ウタっているの
狂っちゃいたいから
貴女も私も
弱過ぎるから
今、
私
舞っていたいの
生まれてから
背負わされた
二人の宿命
笑い飛ばしてしまいたいから
だぁれも
助けてくれないから
行く末は
取り残された
滑稽なまでの
慈悲なんだ
異国の綺麗なお顔
台無し
包丁なんて
おお怖い
自己犠牲は
もういい
よそう
ね?
他人を憎む事
知らないから
仕方無い
死にたくなるのも
仕方無い
仕方無いね
貴女の分身
小さな私
溢れ出す
震える愛と同じ分だけむき出しの痛々しさを貴女から
頂きました
ただ
私は本当に
小さかったから
怖い怖いお顔も
苦しい苦しいお顔も
それ故の
惨いくらいの
エゴな情も
笑顔と泣き顔の
?でしか
お返事する事
出来ませんでした
毎日毎日
貴女が呟いていた
「」
その意味も
私がこうして
同じ様に
同じ「」の中身を
呟く様になって
貴女の心の空白を
“オカアサン”の
絶対を
ようやく
少し
知ったような
気がしてます
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降り注ぐ
冷たい青が
小さな僕に
あの青から
見下ろしたら
点になった
僕のくしゃくしゃ顔
泣き顔に
見えるかな
笑い顔に
見えるかな
どちらでも
まぁいいか
掲げた拳
ピースサイン
青に向かって
びしょびしょに
笑う僕は
青から見たら
滑稽で
吹き出されそうだ
けどまぁいいか
背負ったギターは
やっぱり重くて
毎夜見る夢に徘徊する
投げ出した財産も
やっぱり重くて
青に隠れた天秤座
彼女だけがきっと
正しさを
語ってくれる
“それでいい”
大き過ぎる
鎧を纏った
小さな僕は
遺影となって
あの青に
綺麗に溶けた