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リコの部屋


[56] 不機嫌な私とブラウス
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最後のボタン
外して


白いブラウスが
私から開放され
夜風に踊るカーテンが
床に倒れた彼女を見下ろす



裸になった
ポンプから灰色の空気
唇から放たれ
鏡にぶつかり
延びる曇り




音色に変わらないそれは

紫の冷や汗を呼び






裸になった
ポンプから桃色の空気
唇から放たれ
貴方にぶつかり
滴る雨





掴んだブラウスが
私を睨む
痛いと言った






ごめんなさいと
呟いたら
カーテンが激しく
踊り出したから





くしゃみをした貴方






寝転びながら
見上げる夜空
金星が笑った






あと何百回
昇れば
私はそこに
帰れるの





こんなに酔いが回るのは







きっと
ブラウスに
安物ワインの染みが出来たから






2006/04/17 (Mon)

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