少しだけ大きめの鞄から
こぼれ
床に跳ね返る
小銭の音
時間と引き換えに
わたあめの様な
人の心と
引き換えに
拾い集める動作は
鼠の様だ
まっとうではない
人の私は
いつだって
インクのかすれた
ボールペンで
下手くそに
悪あがき
泣き
笑い
うれしいと
かなしいと
さみしいと
おかしいと
悲鳴をあげていた
馬鹿と呼ばれる
私の中の人は
いつだって
消えそうで
歌う心は
鼠になった私を呼ぶ
ふわふわと
空間を彷徨う
言葉が
誰とも繋がらずに
空へ昇り
孤立していく
人の私を探しているんだ
2006/09/05 (Tue)