ホーム > 詩人の部屋 > アローの部屋 > 投稿順表示

アローの部屋  〜 投稿順表示 〜


[21] 茜空
詩人:アロー [投票][編集]

朱色なる茜空に母の声は懐かしくも響き渡り

群れ飛ぶ鳥達の向かいし稜線に眼差しを送る

過去の賑わいはふと想うほどに失われつつも

淡き優しき斜陽の色合いに面影映す川面あり

反射して眩むるは双眸を惑わすは褪せた朱色

暮れゆく空を眺めては鳴く姿が暗闇に消ゆる

あの頃に見し風景の我が拠り所となりし歳月

誰そ彼は…
彼は誰そ…

稜線にこだませし哀鐘の音の呟きが我を呼ぶ

古きは良きと美しきを知る晩秋の夕暮れ時に…

2005/12/20 (Tue)

[23] 【愚者の衝動】
詩人:アロー [投票][編集]

細く切れそうな糸に鋏を当てて

繋がりのない希薄な世界を想像してみる

何よりも求めている事が哀れに思えて

刃先で静かに糸を撫でながら考えた


断ち切っても気づかれないのなら

何よりも本当はそれが怖いから

本当はそうなる事を知っているから

鋏を持つ指はいつも動かないままで

後悔すら出来ない夜ばかりを過ごす

そして糸の向こうで鋏を構えるのが

果たして自分だけではない事を思うなら

それはきっと独りよがりなのでしょう

きっと再び鋏を手にするのでしょう

手に取る糸すらなかったとしても

繋がりのない希薄な世界を望むのでしょう

2006/02/01 (Wed)

[24] 冬夜(とうや)
詩人:アロー [投票][編集]

雪原に月影浮かば霞み雲

粉雪舞いて風に散るらん

2006/02/01 (Wed)

[25] 無関心の構図
詩人:アロー [投票][編集]

許しているのはあなたじゃない

あなたが許されているだけ

だからあなたは気づかない

いつまでも気づかない

偽りの笑顔に囲まれてるから

冷めた視線には気づかない

2006/03/30 (Thu)

[27] 
詩人:アロー [投票][編集]

七つ色した祝福が貴方の真上に訪れし

確かなりし愛が其処に在りし事を告げ

今はもう開く事のなきその瞼に触れて

穢れなき涙が人々の頬をつたい落つる

偉大なき尊大なき尊称なき名すらなき


その慟哭の静けき調べ

やがては重奏の鎮魂歌

ただ心は虚空に還りて

夜明ける事は不変なり


七つ色した祝福が貴方の真上に訪れし

幼きは産声をあげ母なる胸に抱かれし

父なる腕に抱かれし愛が其処に在りし


確かなりし愛が其処に在りし日の空よ

2006/04/07 (Fri)

[29] 蝶想碑
詩人:アロー [投票][編集]


虚空にぞ舞ひ起つる一羽の想ひ

ひいらひいらと誰彼の間をば

在っては在りし

無うては無し

現世に想ひ残りしは言の葉を遺し

在っては在りし

無うては無し

ひいらひいらと舞ひ起つる

ひいらひいらと舞ひ起つる…

2006/06/07 (Wed)

[30] ディケイド
詩人:アロー [投票][編集]


結論として育つ愛

幸せはそこに在り

笑顔でいられる事

毎日を積み重ねて

僕には少なくとも

それが君だった事

何よりも君に感謝

だからこれからも

君は何より一番で

その笑顔を守る事

ふつつかに生きる

僕が誓った十年目

こっそりと誓った

十年目の愛と結論。

2006/06/10 (Sat)

[31] 
詩人:アロー [投票][編集]


訪れをば告げて舞い散る銀杏の並木

まるで金色の絨毯のように積もりて

秋空の薄けき彩りに調和せん

やがて目に見ゆる景色は絵画となり

順よく朱に染まる山々を遠くに重ねん

すなわち心の温もりは

秋に覚えて冬を待ち

次第に色を失いゆく世界を眺むれば

それもまた趣ありと覚えゆく

深まりを重ね合わせし中秋のひととき

溶け重なりて我は知り

冬の訪れの間近なるを空に眺めん

2007/01/11 (Thu)

[32] 護九条
詩人:アロー [投票][編集]


与えられし価値たりとて

守るべき価値のある


戦争を知らぬ世代の

戦争を放棄せし国で生くる

当前の価値観なるは

そう理解せし事の意味を

世界でこそひとつきり

この国に根付きし可能性を

守るべき価値はあるか



示す意志こそ誰の為にや

示さぬならやがてその身に

決して約束の果たされぬは

ある日にその右の手に武器を見ん







新しき価値は左足への縛鎖となりて

やがては贖いの意志こそ蘇らん

ならば贖いの意志こそ今に示さん

2007/01/14 (Sun)

[33] 無題
詩人:アロー [投票][編集]


集合せし意志

群ゆくは弱さ

正しきを知り

知りて見失う

是を善しとし

庇護せしは己

嫌悪せしは己

内なる裏切り

誰彼も咎めん

ならば歩みて

群れゆく己を

夢見し凡夫と

内にて蔑むは

潔くも愚かな

凡夫なる証明

夢見し凡夫と

内にて蔑むは

潔くも愚かな

凡夫なる決意

2007/02/11 (Sun)
29件中 (11-20) [ 1 2 3
- 詩人の部屋 -