詩人:琴 | [投票][得票][編集] |
夜がくると、ふと思う
また朝がくるのか、と
朝がきて目が覚める
また朝がきたんだ
いつもどおりの忙しい朝
遅刻しそうになりながら
ギリギリに学校に到着する
待っているのは退屈な授業
みんな同じ格好をして
共通の話題をみつけては
愛想笑い
もううんざりだ
私は教室からとびだした
学校から急いで離れて
静かな町を放浪する
塀の上に座っている一匹の猫
私は猫に話しかけた
「猫はきままでいいね」
猫は言った
「人間は自由でいいね」
私は目をあける
そこはいつもの教室
いつもと同じ風景
夢を見ていたんだ
教室をとびだす勇気などない
私は映る世界と同じ色に同化した
自分を消した
「自由とは何だろう」