詩人:ワーズワーク | [投票][編集] |
いまから10年前の「9.11」
ツインタワーが誇らしげに聳えし空に
一瞬の閃光がもたらせし白煙
あの日
多くの希望が失われていくのを見た
あれから10年後の「3.11」
穏やかな日常を突如切り裂いた地の震えに呼び起こされ
すべてを飲み込もうとする巨大な波は
虚空へいざなう鈍色をしていた
過去は戻らない
命も戻らない
「全力」は前に向って使うしかない…
いま 『ショーシャンクの空に』誓おう
あの映画の主人公のように
決して未来をあきらめないことを…
命の灯が消えるまでは
決して希望の灯は消さないことを…
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退屈な日常に潜む罠
そんな危険な匂いにさえ
憧れを感じてしまう
ああ! ドラマティックさにあこがれて
でも… ドラスティックな裏切りに遭う
いざ! ロマンティック漂う馨しき甘美
でも… リアリスティックな仮想の世界
いつもならば すぐ抜け出せる迷路なのに
今日はなぜか 袋小路に迷い込んでもがく
やがては 濁流に飲み込まれながらも
いつかは 清冽な水に身をまかせる幻想…
遠くから聞こえてくるわらべ歌
通りゃんせ 通りゃんせ 透き通りゃんせ…
おきあがり小法師の朝
空調の切れた通勤電車
そんなリフレイン・レインのブルーな憂鬱さを
ダイナマイトで木っ端微塵に吹き飛ばして
爆風を頬に感じながら凍りつきたい
粉々になりたい
透明になりたい
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夢を見るスピードって
現実の時間の何倍なんだろう?
脳内の神経細胞であるニューロンは
光の速さでかけめぐっているというけど…
夢って ミラーニューロンが主役なのかな?
ある朝 電話の呼び出し音がして目が覚めた
なぜか 夢の中でも電話のベルが鳴っていた
しかも 着信音が必然的なストーリーの帰結として
自然で 辻褄のあう物語の夢を見ていた気がした
瞬間 夢から覚めた日常の空間と
夢の中で起こった出来事とは
整合性やリアルさがあって
生き生きとした記憶があった
でも 意識が徐々にはっきりするにつれて
夢物語はまぼろしの彼方へと消え去っていった…
3倍速で録画をすれば
3分の1の録画領域ですませられるけど
3倍の速さで画面を観ても
会話やストーリーの流れを理解するのは至難の技
でも ひょっとして夢の中の時間は猛スピード?
ふだんは10分の1しか使っていないといわれる脳の
能力の限界までフルに使って
だれもが「フラッシュ暗算」できるかのように
光速のスピードで夢を見ているのかも…?
ぼくらは毎夜 光速を身につける
光速度で恋をして
光速度でお別れして
一晩で一生分の時間がかけめぐっているのかも?
だから人は
翌朝 別人になっているのかもしれない…
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悪夢にうなされながら
目覚めるととそこは月世界
ああ なんか重力が軽くなった気がするけど
どうやらそれは錯覚で
肩に重荷を背負った気分で
Blueなseven daysの始まり…
月世界の次の日は火星の世界で
Mars(軍神)らしく戦いの一日
その次の日は水星の世界で
Mercuryだけに商売にいそしむ
やっとこさ木星の世界までたどり着ければ
Jupiterの雷に撃たれてぼろぼろになろうとも
あと一息
灼熱の金星の世界
美の神Venusが手招きしてくる
そんな誘惑から抜け出して
めくるめく土星の世界へ
その翌日は日(太陽)の世界で
日がな一日 燃え尽きて
サザエさんとジャンケンして
勝っても負けても引き分けでも
無常にも日の世界は終わりを告げる
そして 空気の読めない いや 空気のない
悪夢の月世界が 静かにそっと忍び寄る…
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この宇宙はだれかの夢の欠片でできたもの?
そして太陽はその宇宙の欠片でできたもの
原子も陽子も中性子もクォークも
宇宙の欠片の申し子たち
地球は太陽の欠片のようなものだし
月は地球の欠片のようなものだろう
月の欠片の象徴が「かぐや姫」なら
太古から未来までの歴史の欠片の具現者が「火の鳥」
生きとし生けるものすべては
地球に降り注ぐ多くの隕石の欠片でできたもの
かけがえのない生命の神秘である赤ん坊は
宇宙というコウノトリが運んできた贈り物
私は私の記憶の欠片が集まって今ここにいるのだし
あなたはみんなの思い出の欠片の中に住んでいる存在
そして人は皆それぞれ
誰かの夢の欠片なのかもしれない…
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ぼんやりと薄目をあけ
確かめる今日
うつろな瞳に
まぶしく輝く空が目に痛い
この街を去る日に
はじめて知った空の青さは
僕の心をどこまでも広げ
どこまでも果てしなく…
つかみきれない夢を追いかけ
この空をどこまでも駆けてゆく
ぼんやりと涙に濡れ
見上げゆく空
まどろみの中でつかんだ
幸せな夢はまぼろし
この街を去る日に
はじめて知った空の青さが
ぼくの心をどこまでも誘い
どこまでもすり抜ける…
めぐり逢えない人のおもかげ
この空にどこまでも描いている
でも どこまでにでも終わりがあるんだ
さらば青く燃えた熱き日々のかけらたち…
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夢のパラレル・ワールドを想像してみよう
たとえば、ロバート・ケネディが暗殺されずにアメリカ大統領になっていたとしたら?
たとえば、アル・ゴアが、ブッシュを破ってアメリカ大統領になっていたとしたら?
世界や地球環境は、いまどんなだったのだろうか…?
ぼくは、いま花粉症に苦しむこともなく快適に過ごせていたのかな?
愛しの時間、恋しい時が眠っているパラレルな世界への憧憬
でも、それは踏み込むことができない想像の世界
この世界でのぼくの刻む時は こぼれ落ちた砂粒たち
ありえなかった夢のような時間たちを
いつか取り戻せる日を待ちわびながら
パラレルな世界の微かな光を浴びることで
思い出も美しくすりかわり
ちょっと元気が出てくるような気がする
たとえ錯覚だとしても…
そんなことを考えながらも
今日も時は矢のように過ぎていく
ずっとパラレルな夢とたわむれていたいのに…
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時間軸の向こうに
人は跳べることができない
それは神が決めた運命(さだめ)
でも、「人が上」で「神が下」だったら?
「死こそ誕生」で「誕生は死ぬこと」だったら?
時間軸の向こう側から見れば
われわれはこの世ではみんな、
ある意味「死んだ状態」を生きているのかも?
そんな思索に沈んでいく海の底
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これから話すのは耳よりのお話
目より鼻より 耳寄りの話だよ
ダンボが空を飛べたのはね
耳が大きかったから
でもね
象は鼻が長いから
ぶんぶん振り回していれば
ヘリコプターのように飛べるんだよ
ダンボはダンボールの中で拾われた猫
いや 象だったから
「ダンボ」って名前がついたんだゾウ!
もうわかったかと思うけど
いままでのお話は
実は全部空耳で聞こえてきた話なんだ
だんぼでも いや なんぼでも聞こえる便利な空耳さ…
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舞踏会の手帖を捨てて
踊らなくなった旅路の果てに…
いつかこの膨張宇宙はストップする日が来るのかな?
それは熱的エントロピーの終焉
温度というものが存在しない
すべての宇宙空間が「絶対零度」の世界
それは「閉じた宇宙論」で予告された宇宙像
もしも「開いた宇宙」であるならば
この宇宙は何度でも膨張と収縮を繰り返す
「ビッグバン」は一度きりの特異点なんかではなく
無限に繰り返される現象となるのだ
この宇宙が開いた宇宙であるならば
この世界は何度目のビッグバンでできた宇宙だろう?
もしも来世があるのなら
次のビッグバンの宇宙に生まれ変わるのだろうか?
人の死は意識の消滅
生まれ変わりは次の宇宙での復活?
意識がふたたび目覚めるときには
果てしない時が流れているはず…
想像を絶する長い長い時空の隔たり…
でも もしも意識のつながりを感じられれば
たぶん 一瞬のように感じられることだろう
死がついこの前の出来事のように…
それは眠っていた意識が戻ったかのような
つまりは 夜眠って 朝起きるような感覚に近いはず
それでも
人は前の宇宙のことをかすかに覚えているのかな?
もしかして それがデジャブー?