さわあ樹の葉が、隣りの葉に触る。柔らかな風に乗って。ひゅるう勢いのある風に、空の鳥も逆らえず、圧力を掛けられている。それでも、思う方向へ進もうとしている。耳を大きくしたら、風の音が、声になった気がした。さあ、あなたの思いを教えてごらんって。さあ、あなたも。
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