詩人:如月蒼雪 | [投票][編集] |
自分を大きく見せ
敵を増やし
ときに悲劇的な人生を
練り上げ作り上げ
同情まで集める
真剣なふり
傷ついたふり
素人は知らない専門用語
まるであるかのような
才能 知識
そして自分に溺れる
ヒューマニスト
ナルシスト
目立ちたい 見てほしい
全てが売名行為
自己満足の
売名行為
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二月
憂鬱の美学
年の瀬はいつやら
新年の慶びは薄れ
ただ春を待つ
豆を撒きながら
趣と同時に歳を知る
白い季節に映える茶色
アンニュイな息
億劫なはずの雪
時がたてば
恋しくなることも知る
ただ
憂鬱を肴に
二月に酔うも
殊更の美学
詩人:如月蒼雪 | [投票][編集] |
巨大な駅を枕に
眠る人々
きっと昨日も
そして明日も
一種異様な空気に
単純な嫌悪感
何故か平穏
誰もが知る新宿で
あまり知られない
現実 この現実
そこを抜けると
街はネオンと吸い殻で
溢れているから
同情と罪悪感を振り払い
ただ
人となって
歩き出すのです
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誰に好かれるもなく
誰に嫌われるもなく
嘘つきの
もう一人の「わたし」が
私になるでしょう
孤独を怖れて
私を
「わたし」に任せて
私はまた独りに
私が消えれば
私の為に泣いてくれますか
百鬼夜行の私を
嫌ってくれますか
詩人:如月蒼雪 | [投票][編集] |
幼いころ
あなたの顔色を
いつも伺って
子供を演じておりました
変わることなく
今もあなたの舞台で
震え 口を紡ぎ
私は演じております
いつ振り上げるのか
その右手に怯えながら
私は演じております
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期待に応えられないから
私には居場所がないのです
あなたが見ていた未来も
わたしが見ていた未来も
幻にすぎなかったのです
あなたの価値観から
解放された私
これも幻でしょうか