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さきネコの部屋


[255] 周りが見えなくなるくらい
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あと数センチ 掘り起こしたら
君の心に辿りつくかな
BGMをかけながら
伸ばした手に 嘘はない

甘い味しかしない毎日に
いつしか舌も麻痺しちゃって
何がほんとに嬉しいことなのか
忘れてしまった

傷ついたCD裏面の七色に
込めた願いには2度と会えない
だけど握りしめたこの拳の
感触は消えない

だからだ きっと僕が俯かないのは


風向きが変わったから
きっと世界も動き出すだろう
時の流れは律儀に真っ直ぐ
一方通行のままだけど

気づかずにとばしたその1ページに
君のいる場所の小さなヒントが
隠れていたと信じて 僕は
2週目に踏み出した

つまりは やっぱ僕は諦めたくない


掲示板に言葉を貼りつけて
しばらくここで待ってみたけど
視界を横切ってく 素通りな人たちは
何から逃げてるの?

いくつもの答えが反響してる
そんな空間に僕が望んだ明日なんてない


ため息ついて破った裏表紙に
君の残した最後のヒントが
刻まれていたかもしれないと 僕は
初めて振り返った

作っては歩んできた道は
思ったよりも不格好だったけど
体感よりもずっと真剣に
夢を追っていた

だからだ そっと君が微笑んでくれたのは

2011/03/24 (Thu)

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