| 詩人：葉月 永依 | ［投票］［編集］ |
すべてに対しての絶望
その言葉に表せないくらい深い悲しみは
おつかいの帰りに転んで、卵が全部割れてとうふがぐちゃぐちゃになってしまった
そんなときの心境に似ている気がしないでもない
自分がまわりにどんどん置いていかれていく
その深く苦しい焦りは
カップラーメンを作っていて途中でお湯が足りなくなってしまった
そんなときの気持ちに少し近いかなぁ
他人ばかりが幸せそうに見える
その言いようもない哀しい気持ちは
宿題を全然やっていなかった夏休みの最終日
そういうときの気持ちと同じじゃない？
自分に対しての絶望
そのどうしようもない愁いは
バスに乗ってから財布を忘れたことに気付いた
そんなときの心境に似ているとこがありませんか？
頭を抱えて泣き出したいような悲しみ
それは
トイレットペーパーがない ティッシュも持ってない
そういうときの気持ち
どうしようもない寂しさ
それは
なにげなく言ったダジャレによって凍りついた周りの空気
そんな感じ
そう
どんなに深い悲しみも
どんなに重い苦しみも
結局は
そんなもんなんです
ええ、きっと
| 詩人：葉月 永依 | ［投票］［編集］ |
使わないけど 捨てられないもの
いらないけれど 投げれないもの
みんなまとめて
ゴミ箱へ
鮮明に残る 淡い想い
色褪せた思い出
全部まとめて
ゴミ箱へ
温もり残る 不思議な気持ち
凍えるように 冷たい心
紙に包んで
くずかごへ
夢見る横顔
寂しい涙
ひもで縛って
ゴミ置き場
不思議と優しい あなたの笑顔
いつも感じる あなたの気持ち
ほうきを持って
ちりとりへ
あの日の歌
あの日の光
袋に詰めて
ゴミ置き場
使わないけど 捨てられないもの
いらないけれど 投げれないもの
みんなまとめて
ゴミ箱へ
袋に詰めて
ゴミ置き場
| 詩人：葉月 永依 | ［投票］［編集］ |
今
どこかで新たな命が生まれようとしている
今
どこかで尊い命が消えようとしている
今
どこかで友と共に笑っている人がいる
今
どこかで友を想い泣いている人がいる
今
どこかで愛しい人を抱きしめている人がいる
今
どこかでもう動かない何かを抱きしめている人がいる
今
どこかで小さな命を抱えている人がいる
今
どこかで頭を抱え悩んでいる人がいる
今
どこかでトイレの水を流している人がいる
今
どこかで悲痛の涙を流している人がいる
今
どこかで天ぷらを揚げている人がいる
今
どこかで悲鳴をあげている人がいる
今
どこかで本を読んでいる人がいる
今
どこかで誰かを必死に呼んでいる人がいる
今
どこかで青い空を見上げている人がいる
今
どこかで灰色の天井を見上げている人がいる
今
どこかで汗にまみれた体を動かしている人がいる
今
どこかで血にまみれた体を動かしている人がいる
今
どこかで答えを求めている人がいる
今
どこかで救いを求めている人がいる
今
どこかで君を想っている人がいる
今
どこかで僕を待っている人がいる
今
君は何をしている？
今
僕は君を見ている
| 詩人：葉月 永依 | ［投票］［編集］ |
時間にも蛇口がついてたらいいのにって思う
そしたら ひとときの時間もこぼれ落ちてこないように
しっかりと時の流れをとめることが出来るのに
そしたら ぼくの蛇口は ずっと
ぎゅっときつくしめっぱなしなのかな
あけようとするぼくは きっといないから
あけることの出来るぼくは ずっといないから
もしかしたら ぼくの蛇口は ずっと
全部最後まであけっぱなしなのかな
とめようとするぼくは きっといないから
とめることの出来るぼくは ずっといないから
逆らえないぼくがいて 流れないぼくがいるから
| 詩人：葉月 永依 | ［投票］［編集］ |
あなたに愛を
わたしの全てを
伝えたい
伝えたい
伝わらない
もどかしい
言いたいことだけが積もり積もって
汚れた悲しみの雫となって
きれいな言葉にこだわりすぎて
選んだ答えは醜くて
もう 前には戻れない
今は亡き 透明な雨を降らすわたし
そんなわたしに溶け込んでゆく
黒い雨の日の唄