詩人:放射能] | [投票][編集] |
もはや
空想の中でしか
生きていけない
夢のように
適当でもない
こんなに
寒い日はなかった
今頃
心がふるえて…
足止めをくらって
カナシバリにあって
唇は紫色
7月の
水泳を思い出す
今さら
心が
ゆれてしまって
校舎の裏
石段にすわって
想いだした
あの娘のことを
自分のことを
忘れてしまう
見境が
なくなってしまう
危険を承知で
飛び出してしまうよ
閉じこもってしまう
しまった
もうしてしまった
振り向いて
くれないよ
屋上にあがって
見渡したかったのに
カギがかかって
入れなかった
怒るのも
バカバカしい
いつも
こうなんだから
規則だとか校則
常識とか知らない
押しつけられたくない
窓の外に出て
飛び降りようとした
下には芝生があって
整理されてる
きれいとは
思わないぞ
同じ高さに制限されて
いつまでも子供で
人生を捨てようとした
部屋に帰って
天井から
ロープをぶら下げて
輪っかの中に
首をかけようと
台から
足をはなそうとして
想いだした
あの娘のことを
「やめてよ」
とは言わない
霧が
あの娘をかくして
「平気なの?」
テトラポットに
腰掛けて
海を見ていたか
空を見てたか
腹を決めて
たちあがって
なに苦しいのは
一瞬だけだと
さあ
やってしまおうとして
想いだした
あの娘のことを
学校で死ぬなんて
とても
いい考えじゃないか
そうだろう?