詩人:放射能] | [投票][編集] |
一刻を争う
大きな爆弾の下で
迷彩模様に急かされて
あの子が
笑顔であればいい
そのために死ぬ覚悟
空の幕が開いて
上演されるのは地獄
誰かが大きな
キノコを差したのさ
誰かが大きな
キノコを差したのさ
僕ら小人
恋人は即死した
広島の上空で
B29が粗相をした
60年前
誰も注意はできない
リメンバー
あの子が死んだ
小さな少年も
小さな少女も
大きな大人でさえも
リトルボーイに
飲み込まれた
話してくれ
どんな理屈で
あの子を殺したのか
なんの恨みで
あの子の笑顔を?
どんな魔法で
あの子を消したのか
大きな
キノコ雲の下で‥
広島発
天国行き超特急
僕を置いて
あの子は乗り込んだ
手をふる姿を
追い掛ける僕に
灼熱の風
大好きなあの子の
声が聞こえない
いくらピカソでも
この惨状は
とても絵にできない
振り向けば
ここは地獄?
大好きなあの子が通る
駅のヘルズゲート
この世が
キノコにおおわれる時
あの子の姿も
消えるんだろう?
見上げる色は黒一色
どんな画家でも
描ききれない悲しみは
目の前に
大きな
キノコ雲の下で‥