月が欠けるより闇が満ちる盛りを過ぎた白菊の死臭好きだと唄わせて罪だと疑わせて酸性雨に濡れた褐色の髪を呆れるくらい優しく撫でる物好きめ好きだと唄わせて不利だと促して両耳に揺れる銀細工を怖いくらい律儀に外すせっかちめほら作り物の明日が音を立てて嗤ってる
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