会いたいってまだ思う

もう声なんておぼえてないのに

甘ったれた夢だった

なんにも期待なんかしてないよ

だけどあたしがもっと大人だったら

邪魔したいわけじゃない

壊したいなんて思ってないよ


ねぇいつから要らなくなったの？

あたしはずっと渇くくらいに欲しいのに

越えられないよ

越えちゃいけない

あやふやでいいの

曖昧が好き

きっと嫌いにはなれないから


欲しいのか要らないのか
もうあたしにだって分からないよ

この世界に引きずり込んだ

それなのに
からっぽなあたしをあなたは責めた

あなたの帰らない部屋で
あたしは
あたしを抱きしめたあなたの記憶を捨てられないよ


この世界に引きずり込んだのはあなた

自分(あなた)が自由になれた途端
あたしとの不自由(くらし)はもういらないの？

不器用にみせる

その狡さが好きで


生々しく絡む指先も

甘ったるい声も

与えるくせに

独占させてはくれないの


瞳の奥で飼いならされたい

頭の底に棲み続けたい

羽根はあるの

だけど飛べない

銀色のピンが胸に刺さって抜けないから

あたしは自由

それなのに空が四角くてこわいのは

あなたを愛した罰ですか

思い出なんて許せない

削りとって

蒸し返して

まだ足りないの？

もうあげられないよ

もうあげたくない

疲れたの

かまわないでよ

ひとりになりたい


自由になれる羽根なんて最初から生えてない

だからあたしは

もがいてもあなたの手のひらの中

今さらだよ
もう元になんか戻れないの

仲良くして欲しいの？
仲良くしたってそんなの上っ面だけ
それのなにが楽しい？

誰かのために何もしてあげられないあなたが

馬鹿みたいに繰り返すだけだよ
傷を負うのはいつもあたしだけ

お腹いっぱい食べて
あたたかい毛布で眠る

目をとじても
あなたの匂いがちゃんとする

なんて幸せなの