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矢井 結緒の部屋


[89] あの子になれなかった
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


少し離れて
ふたりを見てた
あの子を見つめる
あなたの暖かい眼差し

凍えるような闇の中
ひとり震えてる
あなたに惹かれて
ぐるぐる廻る
哀しい踊り子みたいに

いつまでも
きっと続かない
あの子を照らす
あなたの優しい光

凍てつくような闇の果て
ひとり泣いてる
誰かに抱かれて
狂おしく喘ぐ
寂しい娼婦みたいに

あなたに照らされて
あの子は素敵に輝く

わたしは少し離れて
二酸化炭素の溜息をつく
癒えない想いは
胸の奥深くに秘めて

あなたに惑う赤い星
数十億年の片想い

わたしは
あの子には
なれなかった

2009/08/20 (Thu)

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