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山鳩の部屋


[65] 哀しみの部屋
詩人:山鳩 [投票][得票][編集]

哀しみで散らかしたこの部屋の

後片付けが

どうにもうまくできない


寂しいと書いた紙くずも

あのゴミ箱にうまく入らない

愛を描いたきり絵をも

うまくハサミで切り取れない

紙キレばかりがこぼれて

床に舞い落ちたら

三毛猫のホームズが見上げていた


「哀しみという名の家具は

どこに置いたらいいのでしょうか?」

「哀しみと書いてないものは

哀しみじゃないのですか?」



さあ哀しみについての詩を書き始めよう


哀しみに濡れた少女が

深い眠りにつくころ

月明かりが南の窓から差し込むころ

机の上のえんぴつの先が

一筋の地平線を描き

赤い火星が沈んでゆく

2007/10/30 (Tue)

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