ホーム > 詩人の部屋 > 山鳩の部屋 > 夢詩集〜砂浜の想い出〜

山鳩の部屋


[71] 夢詩集〜砂浜の想い出〜
詩人:山鳩 [投票][編集]

透明なビンを陽に透かしてみたら

あの日の想い出がよみがえるんだよね

君が僕にくれたたったひとつの贈り物


ビンのふたを開けると海の匂いがするんだ

ターコイズブルーのガラスの欠片や

白い砂粒にそれに穴の開いた貝殻とかね


砂浜で時間を忘れてしまうくらい

二人でしゃがんで集めたよね

そうなんだ想い出の詰め合わせなんだよ


想い出が立ちのぼってゆく

けむりのように

すうとあの高い秋空にむかってね


それをうみねこが啄ばみ

かもめが浚っていったよ

実に哀しみの目をしてね


やがて目が覚めて

僕の手には何も残らない白昼夢

2007/11/05 (Mon)

前頁] [山鳩の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -