詩人:山鳩 | [投票][編集] |
君が旅立つ朝までに
僕はたぶん
君からの主題を
仕上げられないだろう
何一つ
ヒントもくれない
じっと僕を遠くで見つめている
哀しい目をしてね
山積みにされた
解けない問いに
君はあきらめた様な眼差しで
ふっとため息を漏らしているかもしれない
ゴメン
やっぱり間に合わないみたいだね
もう遅すぎたね
僕の身勝手な曖昧さが
君を哀しみの果てに置き去りにしてしまった
思い返せば
いつも涙の日々
その涙ももう枯れてしまって
君のこころも変わってしまった
握りしめた
古びた鉛筆の芯がポキッと折れて
消しゴムも
失くしてしてしまったよ
暗い部屋に差し込む朝日が
君からの最後の知らせ
時間切れを伝える
鳥のさえずり
北へ向かう君の足音が
空耳のように耳元で響いた