僕は一年のなかで今の季節が一番好きなんだな晩秋から初冬にかけての静かで穏やかなこの海原を見るのが一番好きなんだなだってここが僕にとって一番印象的な風景で思い出深いところなんだなかすんだ水平線を見つめて蜃気楼のように揺れて沖合いの貨客船がゆっくりゆっくり進んでるふっと深いため息をひとつ小春日和の日差しに照らされた君の横顔が今はもう幻想だよ僕の一番好きなこの季節に君にまたひとこと『ごめん。』とこころのなかで呟くんだ
[前頁] [山鳩の部屋] [次頁]