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山鳩の部屋


[91] ぼくの贈り物
詩人:山鳩 [投票][編集]


見つめつづけたあなたのこころに

この指先で触れらなくなって

見失ったあなたのやさしさを

探しあぐねていま立ち尽くしています


海の見えるこの丘のうえで

ぼくはあの日をふりかえるのです

出会った頃の記憶ばかりをこの手に並べて

また砂時計をひっくりかえすのです


暖められた芝生の匂いに

頬をなぞってゆく海風に

あなたの残した言葉はよみがえります


あなたを知ったそのときから

ぼくの美しすぎる哀しみがはじまりました

すぐ傍のしあわせの重さを忘れるほどに

2009/07/24 (Fri)

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