朝起きて
誰もいない台所に

ポツンと置いてある
まだ温かいお弁当。

もう少し早く起きていたら

ありがとうと言えたのに。

妻よ、誤解することなかれ。

愛情は冷めたのではない。

固まったのである。

最後にお前が聞いた
俺の言葉が
「愛してる」
だったらよかったのに

メールでなら可愛くなれる


メールでならあなたに言える


電波の流れに乗って
いつかあなたとそこで会えたら


抱き合えたら


口付けあえたら


触れることができたなら


もう何もいらない


ただいま画像が乱れてイマス…モウシバラクオ待チ下サイ…


コノ世界トノ交信ヲ遮断イタシマス…

あなたが生まれてきた時

あなたは泣き、
周りの人々は喜んでいたでしょう


あなたが死ぬ時は

周りの人々に泣いてもらいなさい
そしてあなたは笑っていなさい

今までは一番の男だったけど。

アナタ。

今日から二番目ね。

一番の男ができたの。

ごめんね。



どんな男かって？



イイ男よ。



アナタに似て。



一番の男が、



デキたんだってば。

俺には幸せにしたい人がいます。

でもその人が本当に幸せになってしまったら、

もう俺の名前を呼ぶ人はいなくなってしまいます。

あなたが私に「愛してる」と言う。

ほら、聞こえる？。

大きな白い笠の中で、音が響くのうるさいくらいに。

「ドキン」

幸せの音。

私、結婚します。

例えばお互い遠く離れた異国の地に生まれていたら

こんなに苦しい思いをすることはなかったんだろうか

出会って恋に落ちて

それが不毛な恋だと分かっていても

伝わらない言葉で「好き」と言って

自分を解放することができただろうか

「あなたのことが好きです」

どうかあの人に届きませんように

もしも私が全てを捨てて

あなたを愛していると伝えたとして

あなたはもう一度私を守れるのか。