何度も背中に投げた透明な声気付かれぬまま足元に転がって戻ってくるまた拾って持て余す臆病くせがついた私君の影を踏んでもなおさら遠く感じる今日はそんな私の卒業日染まりすぎたおれんじの手紙はじめて声にして君に伝える何年分ある気持ちも言葉にすると手のひら分短くて単純でだけど言えなかった言葉君がどんな答えを投げ返してもありがとうと受け入れるよ泣いても笑っても背伸びしてまとった香りは夕暮れの風に混じって桜色
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