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望月 ゆきの部屋


[144] 笑うことを躊躇しないきみ
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

笑うことを躊躇しないきみを
ぼくはいつも羨ましく見ている

ふと気づいたときには
バカ笑いってやつができなくなっていた
とはいえ 
昔はしていたのか、って言うと
それすら思い出せない

ぼくの母親は 
ぼくがパジャマのボタンを
自分でかけられるようになった頃には
もうすでに
笑わない人になっていた
時々ボタンをかけちがえたって
見てやしなかった

そうだ
ぼくはずっと
笑い方がわからなかった
教えてくれる人がいなかった
笑うことを忘れて過ごしてきた

きみが 
つくしんぼ、って名前が面白いって
突然笑い転げたあの時まで

ぼくは
笑うことを躊躇しないきみを
いつも笑って見ている

笑うことを躊躇しないきみの
隣で

2004/07/31 (Sat)

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