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望月 ゆきの部屋


[184] 逝ってしまったきみへ
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

昼下がり
きみは逝ってしまった

死んだら星になる と
昔から教わってきたけれど
きみも同じなのかな
きみは この空の
どの星になるのだろう
ぼくにだけは
こっそり教えてってくれないか

きみは 
いろいろなぼくを見て
いろいろなぼくを知ってる

ぼくは それと同じほどには
きみを知らない
きっと ね

それほどしっかりと
きみを見ていたかって聞かれると
自信がないんだ

ぼくには
この部屋の中以外にも
生活の場がたくさんあって
それゆえに 考えたり
悩んだり 喜んだり 悲しんだり
あまりに忙しすぎて
きみのことばかり かまってやれなかった

きみには 
このリビングと
毎日数時間 ぐるりと散歩する
近所の町並み
それが世界のすべてだったのに
それすら 
ぼくは知らずにいたんだ

結局のところ
きみは幸せだったのだろうか

きっと幸せだったのだ と
信じ続けることは
ぼくのエゴだろうか

きみが何を考えていたか
きみが何を求めていたか
今となってはもう
問うてあけげることもできないけれど

きみはいつも
ぼくに幸せをくれたし
ぼくは少なくとも
いつもそれに感謝していた

今も感謝しているし
これからも ずっとだ
ずっと 忘れない

ずっと 忘れないよ

それだけでも
きみは幸せと思ってくれるだろうか

きみが逝ってしまった昼下がり

ベッドに転がってつぶやいた
ひとりごと

2004/05/01 (Sat)

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