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望月 ゆきの部屋


[234] 朱夏
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

伸ばした腕の先の
手のひらの先の
中指の先っちょが
触れるか触れないか、
のところまで
夏が。

列車を待つ顔たち
照らす陽射しの角度を
知ってか知らずか
右へ傾く

くる夏
線香花火の終わる瞬間
誰を想い
なにを願うのだろう

世界のどこかで
かわらず
砲弾が飛び交っているであろう
その時

庭の片隅には
もぎ忘れられて
今にもぱちん、と弾けそうな
プチトマトが。



2004/06/18 (Fri)

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