詩人:望月 ゆき | [投票][編集] |
朝、目をさましたら地球儀の上でした
当然ですが、びっくりしました
あんまりびっくりしたので
枕元のメガネをさがしあてるのに
2分40秒もかかってしまいました
頭の上のあたりを
何度も何度も何度も
ばったばった、と
たたきまくったせいで
まだ、夜が明けていない
どこかの国の人たちを起こしてしまったようです
「たった今寝たとこだったってのに!」と
口々に叫んでいました
いえ、言葉はわかりませんが
寝入りばなの顔つきと
こんにゃろめーの顔つきは、万国共通です
さしずめ
ノルウェーかオランダあたりでしょうか
こんなふうなとき、思うことは
やっぱり世界はひとつで、おんなじでなくっちゃ、
ってことです
地球儀の上では
自由がまったくききません
なにしろくしゃみひとつするだけでも
お尻の下の国では
大雨警報が発令されてしまいます
お腹がすいてきました
けれど冷蔵庫までたどりつけません
たいへんです
トイレに行きたくなってきました
おしっこがしたいです
これはもう、寝てしまうしかありません
幸い、日も暮れてきました
これはもう、寝るしかありません
寝る前に思うことは、
やっぱり世界はひとつで、おんなじでなくっちゃ、
ってことです
もう、寝ます
明日の天気予報、晴れでしたね
もう、寝ます
メガネはポケットに入れるから安心してください
そのかわり
夜明けまえから雨が降りだしたらごめんなさい