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望月 ゆきの部屋


[341] かなしい、さかな
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

手をつないで
深いところまで、いってしまった


引いてゆくまにまに
記憶の砂がすれあっては
かすかに音をたてる
ノートブックの波に
毎日つづった、日記
夕立ちをよけて、キスをして、
ときどき、黙った


ねえ
わたしたちの夏は終わってゆくけど
かわらないものも、あるね


セロハンの水面
転写された、北極星

めじるしに


わたしたちはいつまでも
触れあえないまま
さよならだけを、すりぬけてゆく
どこまで泳いでも


かなしい、さかな


2005/04/30 (Sat)

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