詩人:望月 ゆき | [投票][編集] |
地球があと100kmのところで終わっている
と知っても
きみは歩いてゆくだろうか
靴ひものことなんて気にしてる場合ではない
見渡しても、海
はてしなく、海
そのかぎりの海の地球から、のぼる
朝陽を見たとして
きみは、迷わず(思わず、)叫ぶだろうか
「うつくしい!」
その声はなににもはねかえらず
水面を通過して沈んでゆく
大量生産のぼくたちは今
とんでもない過ちを犯しながら
人間みたいに暮らしている
地球みたいなところで
ぼくたちを造りあげたのは、自然なのだ
と、
自然が造るものは、いつも完璧なのだ
と、あの頃
大人たちは口をそろえて言ったんだ
そうだろう?
木の葉が 風を受けて さらさらと
上手に、重なり、すれあいながら
太陽を浴びる
木陰には一昨日できた水たまりがまだ渇かず
百舌がそれを飲みにおりる
その間にも人間は
地球のことばかり考えながら
二酸化炭素だけを増やしている
そうだろう?
そうなんだろう?