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望月 ゆきの部屋


[349] 行間の、過ごし方
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

すすんでゆく先には 
行間が待っていて
いつも 立ちどまってしまう


深呼吸、する 
 ( ふかく、吸って、
 ( ゆっくり、吐いて、

ふりかえる
ふりかえって、深読みしたり
ふりかえって、泣いてみたり
する

つま先に目をやる
つま先にこつんとあたったものを、見る
つま先の対角線上の点で それを
うしろに、蹴る

空気の真ん中
酸素と、二酸化炭素を、入れかえる
わたしの小さな鼻腔と
半開きの、口

その空間が
一列であるか、二列であるか、
あるいは、
ということは、実はたいしたことではない
ようでいて、とても、重い

つま先をそこに踏み入れたとき
するべきことはたったの一つなのだろうと
たったのそれだけは知りながら
するべきたったの一つを見つけられないまま
呼吸だけ、やめない


そうしてわたしは
今も、行間にたちつくしている

2005/05/26 (Thu)

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