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望月 ゆきの部屋


[376] 仰ぐ、空の視界で
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

規則的に並んだ 長方形の、
石の上に横たわる
やわらかな、暗室
腕をまっすぐ 前に伸ばして
星座の距離をはかる
おや指とひとさし指で足りるほどの
遠さで
わたしを見下ろしている


そのすきまに点在する
無数の塵や、光
それらを内包して、視界は
少しずつずれていく


もう、何遍
そうやって仰いだのだろう


真上に来る瞬間を
いつも見逃してしまう
やがて通り過ぎては
消えゆくものばかり
追いかけているせいだと
見えない空が
わたしを促す


不必要なほどに
ねじまげた、からだの 
右側から  
沈んでいけたら、きっと
もっと
ただしい距離でつながっていられた

2006/02/02 (Thu)

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