詩人:決して消えない希望 | [投票][編集] |
あれは大学生時代のこと
暇を持て余して近所をブラブラ散歩していた時のことだった
小さな交差点で信号が変わる時に、車がすれ違い、事故を起こした 僕の目の前で
けたたましいブレーキの音
凍りつく空気
タイヤのゴムの焦げた臭い
せわしなく救助のため動き出す人たち
小さな車の方はまるで映画のワンシーンのように一回、前転した。
僕はその時、瞬間的に思った
人の幸せって、一瞬で消えてしまうような儚いものなんだなって
幸せは儚くて、頼りなくて、もろいもの
この手に握り締めて、持ち続けることのできないもの
ふと気が付けばどこかへ消えてしまっているもの
けれど、私たちはそれを求め続ける 一生涯
幸せがいつか消えてしまうものならば
私たちは日々の暮らしの中で、幸せのきっかけを生みだし続けられるといい
怒りや憎しみ諦めに翻弄されながらも
愛想尽かすことなく、飽くことなく、幸せの種まいていけるといい
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