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亞利芻の部屋


[22] 飴玉
詩人:亞利芻 [投票][得票][編集]

ボクが飴玉をいらないと
いったら雨がふった

キミの空想とかわらないよ
って誰かが歴史の本を
たのしそうに読んでる

雨ふりだと可哀想って
子猫はパンをもらえた

大きくなった子猫は
パンは嫌いだと泣いた

歯磨きを忘れちゃったから
虫歯ができた

歯医者さんは
飴のたべすぎたねって
笑った

歯医者さんに
お別れをいうと
空には虹がかかっていた

ボクが飴玉をたべると

子猫はみむきもされなくなった

子猫を抱き上げると
とてもいい香りがした

おうちに帰ろうとしたけど
もうどこかわからなくなってた

ニャーとないてみたけど

あたためてくれるのは
いい香りの子猫だけだった

傘を歯医者さんに
とりにいきたいけれど

きっと歯医者さんは
猫がきらい

だからボクは飴玉をたべた
ズキンと歯がいたかった

いい香りの子猫は
ボクをみあげて泣くばかり

ポケットのなかには
もう飴玉はないんだよ

きっともうすぐあめがふる

そんなきがしてる

2011/02/19 (Sat)

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