詩人:夢野咲道 | [投票][編集] |
後悔?
そりゃ、たくさん有ったよ。
考えたら
随分たくさんの後悔を重ねて生きてきたような気がするな。
思い出すのも恥ずかしいくらいさ。
『俺は何をやっているんだろう?』
そんな事を思いながら繰り返した後悔も1度や2度じゃない。
『きっと後で後悔するんだろうな』
って思いながら、
それでも決断をしなければならなかった時も有った。
偉そうに
「やらないで後悔するよりは、
やって後悔した方が自分自身に納得出来るよ」
そんな風に他人に言った言葉は、
実は、いつも自分自身に言い効かせていた言葉だったんだ。
時々ね
こんなに後悔を繰り返すなんて、
きっと学習能力が無いのかも知れないって思うよ。
それでも、
何も後悔の無い人生よりは
少しは幸せだったんだって思う事にしてる。
だってね、
後悔の数だけ想い出も残っているんだからね。
それは忘れられない程に、
生きて来た証しでも有るのだから・・・
その点においてだけは後悔は無いんだよ。
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もし
人間が1人で生まれてきて
1人で生きているとしたなら
きっと幸福なんて感じなかっただろうね
”幸福”と言う言葉は
最上級では無くて
比較級の言葉なんだから
そうなのかい?
だって
”至福の時”って言葉があるぜ
それって最高の幸福って事だろ?
じゃ
幸福にもランクが有るって事かい?
いや
そうでは無いと思うよ
感じ方って言うのは有るかも知れないけどね
じゃ
比べられる人・・
つまり
誰か不幸な人がいたら
自分は幸福だと思えるのかい?
いや
他人の不幸の上に
自分の幸福が成り立ってるとしたら
それは幸福とは思えない
幸福って
結構面倒なもんなんだな
じゃ
初めから1人だったら良かったのかい?
もし人間が
生まれた時から1人きりだったとしたなら
きっと
孤独も知らないで済んだかも知れないし
その方が幸福かもよ
いや
それは幸福とは言えないよ
思うんだけどね
幸福って
誰かと分かち合うから
そう感じる事が出来るんだよ
誰かと分かち合う事で
”Good”が”Better”になる
その意味での比較級
そして
それを感じる事が出来ると言う事が
きっと幸福って事なんだと思うんだ
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季節が変わりました
”昨日も今日も明日も
いつか全てが過去になる”
そんな誰かの言葉を思い出しながら
ぼんやりと窓の外を眺めています
小さな窓から見えるこの景色が
もし世界の全てだとしても
僕は絶望などしないでしょう
そこには花が咲き
木には小鳥が歌い
例え雨が降ったとしても
陽が差せば
木の葉の水滴はキラキラ輝きます
時々
虹の欠片も降ってきます
気紛れな猫がやってきて
こちらをチラッと見ては
退屈そうな顔であくびをしてみせます
風が吹けば
色とりどりの落ち葉を運んできます
降り積もる雪は
全てを包んでくれます
今このひと時でさえ
明日には過去になっているのだと
そう・・・
それは
分かってはいるのです
明日になれば
昨日も今日も同じです
でも
それで昨日が消えてしまう訳ではありません
思い出す日が1日づつ増えていく
決して消える事の無い思い出が
僕が生きた証なのです
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楽しかろうと苦しかろうと
人間の生など知ってか知らずか
時はいつも淡々とその歩みを刻み続ける
人間の一生にとっては
時はただの傍観者に過ぎない
時は流れていく・・・
幸せだとか不幸だとか
それは時が決める訳では無い
人間がただそう思うだけだ
人間がただそう感じるだけだ
しかし
その人間の一生を見た時
時は流れていくだけのものではない
時は流れない
それは積み重なっていくものなのだ
額の皺に
心の襞に
記憶の一片として
未来への証として
時は積み重なっていくものなのだ
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自分を愛する事は他人を愛する事だ
自分を愛せない者に
他人を愛せるはずも無く
他人を愛せない者に
愛は降り向かない
自分を愛すると言うと
すぐナルシストだと言う話になるが
ナルシストは自分だけを愛する人なのだ
自分に正直でいる事は
多分、他人に正直にいる事よりも難しい
考え過ぎるだけの人は
ただ臆病の種を蒔くだけで
収穫の喜びを知らずに過ごすだろう
他人を愛する事に正直な人は
第三者から見たら
多分、疎ましくさえ思えるかも知れない
だが、それを出来る人は案外少ないだろう
自分を愛すると言う事は
結局、他人を愛すると言う事なのだ
自分を大切に出来る人は
それ以上に他人を大切に出来るだろう
何故なら
大切にされる喜びを知っているのだから
愛の大切さを知っているのだろうから
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秋の夜半に降る雨は
寂しさのスイッチを入れに来る
窓を伝う雨の滴に
後悔の数だけ
想い出が写る
寂しくて
切なくて
乾いた心に沁みては来るけど
もう涙も出やしない
秋の夜半に降る雨は
ぽっかり空いた隣に座る
窓打つ雨に押されて
想い出も流されていく
雨に歪んだガラスの向こう
哀しくて
切なくて
忘れた事さえ忘れてた事
想い出させて知らん顔
どうせなら
どうせなら
いっそ流してくれれば良い
何もかも 何もかも
秋の夜半に降る雨は
枯れた想いを濡らして過ぎる
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愛にはこれって言う形が無いよね?
形が無いって事は
壊れないって事なんだ
ホントはね
それでも壊れてしまうのは
自分で勝手に形を決めてしまうからなんだろう
気持ちって不確かなモノだよね?
不確かなモノに
理屈をつけて
僕らは安心をしようとしている
それでも不安になるのは
気持ちが変わりやすいのを知っているからなんだろう
瞬く星達の会話に
僕達は耳を傾けていた
本当の事は誰にも解らない
今煌いている星でさえ
今この時にはもう存在しないかも知れない
何が真実で何が偽りなのか
僕達は本当の事は知らない
ただ
今、君がここにいる事だけは
信じられるひとつの事なんだ
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ボクはいつもフカヨミのし過ぎなんだ
分かっている
それはボクの悪いクセ
いつかキミにも言われたね?
分かっていた
いや、ホントは分かっていなかったんだね
キミの言葉が少なくなったのも
キミが流したナミダの訳も
キミの笑顔が消えたのも
ボクが勝手に作ったマボロシだったんだ
キミのココロを解ろうとして
ボクは一生懸命にキミのココロを探していたんだ
そしてボクは
キミのココロの裏側さえも探してた
それが愛のアカシなんだと
ボクは自分で作ったマボロシを追いかけていた
何も気づかなかったよ
なのにボクは何も気づかなかったよ
キミのホントのキモチに
キミのホントのココロに
オモイアガリ
ボクはキミのココロを解ろうとして
ボクのココロをキミに押し付けていただけ
キミに愛されたくて
ヤサシイヒトと思われたくて
それだけだったのに
いつしかボクはオモイヤリさえも
ココロを突き刺す武器にしてしまったんだね
壊れたキミのココロのカケラが
ボクの中でチクチクと騒ぐたび
今もボクのココロは痛むんだ
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今、見えているこの星が
この瞬間にはもう存在をしていないかも知れないと言う事
見えているモノだけが
信じられる唯一の真実では無い
今、見ている色でさえ
一点の光も無い闇の中では存在しない
真実はいつもひとつでは無く
自分次第でいくつもの真実に出会えるだろう
瞬きはいつも一瞬の出来事では無く
目を閉じたその刹那に
始まるモノと終わるモノも有る
この瞬間
この瞬きを見逃すな!
大事なモノは全てそこに有る
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朝に夕に
人は行き交い
巡り会うも
巡り会わぬも
ただ定めの命じるままに織り成す
縦と横の糸
春夏秋冬
繰り返す永遠の中で
芽吹くモノ
育むモノ
送るモノ
森羅万象の刹那
昨日 巡り会った人と
今日 別れても
明日 又、誰かと巡り会うだろう
命の懐に抱かれて
人は生き
人は行き
人は逝く
巡り会いは織り成す人の縁