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夢野咲道の部屋


[70] 作り笑い
詩人:夢野咲道 [投票][編集]

大人になると
作り笑いが上手くなる

それをしなきゃならない自分と
それを許せない自分の鬩ぎあいの中で
作り笑いだけが
いつしか一人歩きを始めていた

外に対して
内に対して
或る意味の防御行動だったのか

そして
それが当たり前になった頃
そこには
何も感じていない自分がいた

疑問も
肯定も無い

それは自分であって自分で無い
いや
そんな事すら感じていなかっただろう

「円滑」
「調和」
「協調」
そんな大儀の元に掲げた御旗は
一度掲げると
中々そう簡単に下ろせるものではないのだ

でも
もう良いかな・・・

少しだけ
肩の力を抜いて
まずは深呼吸をひとつ

50も過ぎた

残りを数えて
しがみ付くよりも
繕う自分を卒業しよう

作り笑いを笑い飛ばすくらいの気持ちで無ければ
ここまで生きた意味が無い
これから生きる意味が無い

今まで生きた20年、30年よりも
これから生きる5年、10年の方が
遥かに貴重なのだから

同じ笑うなら
心から笑おうか

2008/03/19 (Wed)

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