詩人:シャンク | [投票][編集] |
少年の目をして少女が笑う
冒険描きの歪んだラインが
一重瞼の上で踊ってみせる
そんな時代ってどんな時代?
気まぐれそうな唇が屈託なく割れる
今から彩られて行くであろうその前髪に
鏡のような艶美さをたたえながら
どのくらい前のことだろう
この少女に似た娘に心奪われていたのは
同じ歳の2人のはず
埋め切れないほどの距離を感じ
背伸びして 背伸びして
それでもやっぱり届かなくて
ときめいて ときめいて
嫌になる程あせりまくって
言葉にできない その物悲しさは
甘酸っぱい想い出とかじゃなく
灰色の切っ先となって
いまだに奥底に突き刺さったまま
オトナになって恋をして
その時言葉に出来なかった歯の浮く台詞を
平気な振りして吐いてみる
顔ひとつ赤らめる訳じゃなく
淡々と事務的に吐き出してみる
どうですか
響きましたか?
淡々ついでに訊いてみる
あんたって誰にでもそんなこと言ってるんでしょ
薄っぺらいオトコね
ふーん そうなんだ
期待していた通りと言えば そうだし
そうじゃないと言えば そうじゃないし
あの時の少女
どこでどうしているんだろう
間延びした その瞬間の蒼さを
取り戻す術を知ったのなら
恋することが出来るんだろうか
今でも
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私のこと 好き?
うん
君は?
好きだよ
確認し合わなければ
不安で不安で仕方ない恋もある
それが大人の恋なんて言わないけれど
将来の約束ができない恋だから
くちびるを重ねる度に
お互いの温度を確認し合う
肌を合わせる度に
むさぼり合う
あなたにとっての幸せって何だろう
きっとそれは
たくさんの人の前で誓い合った人と
一生添い遂げることなんだろうね
僕にとっても同じことなんだと思います
その人と私とどちらが大事?
言わずがなの君の笑顔がとてもいとおしい
矛盾だらけの恋愛ごっこ
そんな台詞が頭をよぎる
その先に楽園は存在しない
知りつつ霧の中を歩んでいく二人
ただ
今の僕に言えることは一つだけ
あなたのこと
大切に思っています
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アジサイを買いました
青い色したガクアジサイです
まんなかにポッカリと穴が開いていて
まぬけな感じに惹かれました
雨の日にも水をあげないといけません
そうしないと枯れてしまいます
傍から見ればこんな私も
きっとまぬけに映っていることでしょう
こんな付き合い
一つくらいあってもいいと感じています
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もう、会えないんだよね
おれたち
そういう約束だったんだものね
出会いは不純なものだった
お互いの素性を明かさず、一度っきりの関係を持ちませんか
そんな男の言葉に女は反応した
お金で割り切った関係なら、一度っきりと約束して頂けるのなら
2、3回のやりとりのうちに男は感じ取った
この女、きっと誰かに背中を押して欲しいんだな
一歩前に進むために、己の偶像化に懸命なんだな
しかし、そんな事は男にとってどちらでもよい事だった
欲望の捌け口を求めているのであって、恋愛の対象を求めている訳
ではないのだ
そして二人はむさぼりあった
金銭の授受はなかった
女もその話題に触れようとはしなかった
改札口での別れ際、口から洩れ出た言葉に、男は自分でも驚いた
恋するなんてピュアな回路は、とっくの昔にどこかに置き去り
にして来た筈だ
出会いの方法なんて千通りあってもいい
大事なのは、無理矢理錆びつかせてしまっていた自分が、一人の
異性によって覚醒させられたという事実のみだ
その瞬間、一つの心配が男の頭をよぎった
この人はどうなんだろう
女はその言葉に答えるでもなく、プラットホームへと降りて行った
途中、一度だけ振り向いたその顔は、微笑んでいる様にも、泣いて
いる様にも見えた