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満月の部屋


[56] 涙の温度
詩人:満月 [投票][編集]


いくつもの時間が過ぎて

思い出と呼べるようになった

色褪せた記憶の中には細い肩を震わせていた貴女がいた




いくつもの時間が過ぎて

思い出と呼べるようになった

色褪せた手紙の中には忘れかけた大切なメッセージがあった


いま貴女が望む姿に近づいているだろうか

少しくらい振り返る事は許してくれるだろうか


いまだけは貴女のことを思っていてもいいかな


あの時の涙にはどんな意味があったのかさえ
未だに分からないまま

温度だけが深く残っている


いくつもの記憶が時間というものに流され消えて逝く


なんでもない小さな幸せの記憶すら


2009/06/21 (Sun)

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