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ふぉれすとの部屋  〜 投稿順表示 〜


[35] 雨上がりの午後
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大空から滴る一滴の光が

僕の湖面に波を描いた

そっと囁いたそよ風も

今の僕には十分な強風さ

いつまでもここにいたい

そう願ってみるけれど

太陽の神様が僕を引き裂き

放浪の旅へと連れ出していく

そう僕は旅人

何もためらうことはない

そう僕は水滴

ただの道端の水たまり

2006/02/03 (Fri)

[36] a role
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アンプの音量抑えてたら物足りない

定跡通り指しているのでは面白くない

安パイだけ切っているのもくだらない

挑戦しない人生もつまらないって

その勢いで言ってしまいたいけれど

そんな勇気が少しでもあったなら

今頃こんな所にはいなかっただろうさ



今更気づいたんだ僕は結局小市民

ゲームに出てくる主人公でもなく

ドラマに出てくる俳優でもない

映画の片隅のエトセトラでさえもない



でも僕の人生のたった一人の主人公

そして君の人生にとっての準主役

それだけで僕は十分だから

2006/02/08 (Wed)

[38] λ
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音ってモノはこんなに心を映し出す

いくらエフェクターで誤魔化したって

どんなパターンのストロークでも

奏でる和音は嘘をつかない

悲しければ悲鳴のような声を

楽しければ弾けるような爆音を

憂鬱ならば重苦しいような息を

その華奢なボディーから発し続ける

2006/02/06 (Mon)

[39] Find Out
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漆黒の雲が月を覆う時はいつも

彼女に恋する自分を見つける

太陽が輝くことを拒否する時はいつも

彼に嫉妬する自分を見つける

星達が流れ落ちていく時はいつも

彼らに憧れる自分を見つける


海がおとなしくしている夜はいつも

砂浜で波を待つ自分を見つける

山が悲しんでいる朝はいつも

いつか逝くからと念じる自分を見つける

青空が上機嫌に真っ青な昼は

同じく上機嫌な自分を見つける

2006/02/07 (Tue)

[40] 独往
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心に深々と刻まれたその言葉が

自分の“生”に意味を与えてくれる

平和な日々だから為すべき事があり

平凡な日々だから成し遂げる時が来る

恐れるべきは慣れと怠惰のみ

失敗と後悔は恐るるに足らず

2006/02/07 (Tue)

[41] Lamentation
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何らかの理由で犯罪を犯した者


苦痛に耐えきれなくて自殺した者


少し目立ったが為に獄に陥れられた者



みんな負け犬



そう負け犬



もしくは負け組




運だけでちょっと成功したもの


親の財産かじって悠々生きる者


媚びて媚びてそこそこの地位を得た者



みんな勝利者



そう勝利者



もしくは勝ち組





「勝ち負けなんてないんだ」


「世の中金が全てじゃない」


「結果よりその過程が大事なんだ」



みんな負け犬の遠吠え



そう負け犬の言葉



もしくは言い訳




「世の中能力が全てだ」


「金があれば女も権力もついてくる」


「満点以外は全て零点」



みんな勝利者の言葉



そうこの世の真理





ああ悲しきかな負け犬の末路


ああ愉しきかな勝利者の王道


力あらば進みたい


自らの覇道を

2006/02/07 (Tue)

[42] 
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君がそこにいて
僕がここにいる
こんな単純な事が
あまりにも辛い
目の前の現実として
僕の胸を貫いている
君の澄んだ笑顔を
思い出てしまう朝も
僕への君の言葉を
疑ってしまう昼も
一つになってる君を
回想してしまう夜も
その痛みは決して
僕の胸元を放さない
唯一君の細い声が
その永遠の槍を
抜き去ってくれる
そうたった一人
君だけが

2006/02/10 (Fri)

[43] 悲しいことがあった夜は
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ほんの少しの雪がぱらつき

月が寂しげに一人で浮いている夜は

数少ない星空が観客になってくれる

お前も一人じゃ寂しいだろうよ

もう錆び付いてしまった古びた弦で

さあ思い切り泣いておくれ

この惨めな俺の代わりにさ

2006/02/10 (Fri)

[44] 生誕地
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潮風香るその場所へ
戒めの傷が僕を誘う
蒼い地平線と砂浜の白さが
妙に懐かしく感じられた

掠れた記憶に身を任せて
高台に登った僕を待っていたのは
脳裏に浮かぶ昔の僕の姿と
白く美しい無機質な建物

あの時の僕はまだ
この中で眠っているだろう
無理して立ち上がらなくていいから
そこでそっと眠ってくれよな

波打ち際に身を寄せて
雲一つ無い快晴の空と共に
己の存在意義を問い合ってみる
その源である過去を回想しながら

夕日がワイシャツを照らす頃には
心の片隅が浄化されていた
僕の中の薄汚れた一部が
東の空の入道雲になったのかな

“サヨナラ”は悲しい響きだけど
もうそろそろ告げなくてはならない
傷が毎年ここへ僕を誘ってくれるから
涙は次まで大事に取っとくよ

2006/02/11 (Sat)

[45] The Murderers' World
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他人を傷付けたってお構い無しに

自らの欲求を満たすがため

言葉という凶器を振り回す僕らは

きっとエゴイストという名の殺人鬼

本当に人を殺してしまう奴は

殺人鬼と言うよりむしろ逃亡者

この言葉による殺し合いの世界からの


昨日も一人殺されてしまった

鉈のようにそいつを斬り裂いたのは

たったひと振りの鋭い太刀

そいつの薄汚れたピンクの心は

音を立てて真っ二つに割れて堕ちた

でも殺した奴の心は返り血も浴びずに

今もギシギシ音を立てて動いてるんだ


ある日背後から斬られてしまった女

その切っ先は心も体も切り裂いた

もう立ち上がることもないだろう

そう思って眠りに就くはずのを彼女を

救い出したのがある人の一言

魔法なんて有る訳ないと思うだろ?

でもこっちの世界には有ったんだ


今日も至る所で犠牲者が出ている

しかしNEWSで取り上げられる事は無い

たまたま逃亡者が出た時だけ

表の世界に知らされるのみ

この世界にとって優しいのは暗闇

残酷なのは光が射し込む現実の世界

ああ戦う僕らは殺人鬼

2006/02/12 (Sun)
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