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都森 善太の部屋


[63] まだ見ぬ海に
詩人:都森 善太 [投票][編集]


燈は右側へ消えて
蛍光灯は代わりにならない
呼ぶ声は波の滴
涙は渇いた

向かいのシートに座る
一人の少女
大事そうに抱えているのは
そんなもので
たった一つの願いだったりして

粉々にした記憶を
小さな瓶に詰めて
海に還す

踏みしめられた
白い砂浜の秘密

2007/10/04 (Thu)

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