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檸檬水晶の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] レモン
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すうと胸に抜けるような

夕暮れにも似た心地よい感情

心の表面を粟立たせて

僕の心臓を煩くさせた

からからと、君の笑う声が耳に聞こえた

得も知れぬそれが先と同じように

すうと胸を走り抜けた

2012/08/10 (Fri)

[2] 洞窟
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影が映る
暗い場所で
それが本当なのだと知って
僕はとても嬉しいと思った

影が射す
明るい場所へ
それが本当なのだと知って
君はそれを絶望だと言った

2012/08/11 (Sat)

[3] 悪夢
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女に似ている。
毒々しい悪の蔓延る紫の空間だ。
一匹の猫がいた。
"汝、何ゆえ恐れるか。"
猫の目は妖しさに鈍っていたが、わたしを恐れさせるには十分なのだ。
お前が、とわたしは答えた。
猫は途端に長い睫毛と輝くほど赤い唇を剥き出しにして
"食ろうてしまおうか"

わたしは飴色の瞳を見た。

2012/08/11 (Sat)

[5] 
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嫌なことが

溜まりながら流れていく

量は変わりやしないのに

何となくスッキリしたから

2012/08/14 (Tue)

[11] おかしな
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缶コーラを振って渡すような

そんな恋

2012/09/19 (Wed)

[12] 
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空が流れていくのを知っている

鈍い空が朝を連れてくることも

月が夜を留めることも

2014/02/25 (Tue)

[13] ガーネット
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爽やかな光が私の瞳に染み込みゆるりと波打つ
消えない輝きと密やかな恋慕
緑色の夕焼けは夜へとけた

2014/02/27 (Thu)

[14] 藪椿
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憐れや、雪の溶ける朝
つばきの花は土に触れた
凍てついた花弁は赤く
透き通るような終わりを想って
ただ咲いた

2014/03/12 (Wed)

[15] 無題
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侘しい花と暗い泉
それは同じ色を灯して
密やかに私の胸を焦がす
数える日々の少なさが
こんこんと涌いては沈み
ぷかりと浮いた花さえ
私の瞳は捉えぬまま
青い空に心を預け
泥濘に足を差し入れる

2014/04/07 (Mon)

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