ホーム > 詩人の部屋 > 霧緋の部屋 > 投稿順表示

霧緋の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] お葬式
詩人:霧緋 [投票][編集]

目の前のあなたは
まるで眠っているように
優しくて綺麗な笑顔で
幼かった僕には
それが示す意味がわからなかった
ただ横たわったあなたの横で
いつものように眠りについた

『お母さん、朝だよ』

周りの知らない顔の大人たちから
悲しそうなたくさんの視線が
僕に注がれていた

あなたが豪華な車に乗せられた時
何処かすごく楽しい場所へ行くのだろうと思った

僕一人が残されて
帰ってきたのは小さな白い壷だった

『お母さん、いつ帰ってくるの?』

人形のように何も語らない知らない顔の大人たち
僕を見つめて泣いていた

2006/08/08 (Tue)

[2] 待ちぼうけ
詩人:霧緋 [投票][編集]

あなたの温もりが消えたこの部屋で
帰りを待ち侘びていた

きっと帰ってくる
いつものように『ただいま』って
優しく頭を撫でて笑ってくれる

小さな体に孤独を背負い
一人残されたこの部屋で
外からドアが開くのを待っていた

僕の後ろには
優しく笑うあなたの写真
僕の後ろから
お線香のニオイ

足音が聞こえる度立ち上がり
窓を開けてあなたを探した

安い布団に転がれば
大好きなあなたのニオイがした

僕を抱いて優しく笑う
もうあなたは写真の中にしかいない

気が付いたのは大人になってからだったよ、お母さん

2006/08/08 (Tue)

[3] 幸せ?
詩人:霧緋 [投票][編集]

『今、幸せ?』

急に聞くからビックリしたよ
僕はどっちでもないなぁと思ったけれど

『うん』

って答えたっけ?
何でも理由を聞きたがる君の次の言葉は案の定

『それはどうして?』

だったけれど
僕は何も言わなかったっけ?

今だから言うけれど
あれはね
横で君があまりに楽しそうに笑うから
その笑顔につられちゃったんだ

答えを君に伝えたくても
君はもう空の上

あぁ…今日も青空綺麗だね
君は元気にしてるかい?

こんなに空が綺麗な日は
君の笑顔と笑い声
いつも思い出しちゃうよ
君は…

『今、幸せ?』

2006/08/08 (Tue)

[4] 
詩人:霧緋 [投票][編集]

幼い少女は
その小さな
胸に誓いました

帰らぬ人がくれた
目には見えない
たくさんのものを
その小さな小さな
胸に大切にしまって
強く強く生きようと

涙で霞んだ
白くて先の見えない世界で

唇を噛み締めて
真っ直ぐ前を向いて
しっかりした足取りで
少女は前を目指します

小さな一歩から始まる
この長い旅の果てに
遥か遠く
たどり着く日を
夢見て

2006/08/08 (Tue)

[5] あの空へ
詩人:霧緋 [投票][編集]

僕には羽はないけれど

いつかあの空飛べるかな?

あの鳥みたいに飛べるかな?

あなたの側へいけるかな?

2006/08/08 (Tue)

[6] 太陽
詩人:霧緋 [投票][編集]

こんな晴れた日には
太陽に手が届きそうで
踵をあげて
手をいっぱい伸ばしたら
この手の中に
捕まえられそうな
気がしたよ

光を手にできたなら
僕もキラキラ輝けるかな?

まるで太陽みたいな

君のように…

2006/08/08 (Tue)

[7] 骨壷
詩人:霧緋 [投票][編集]

『お母さん帰ってきたよ』

満面の笑みで走り寄る僕に
渡されたのは白い小さな壷

『お母さん…どこ?』

『お母さんはこの中だよ』

そう言って
僕が抱えた壷を指差した










知らなかったよ
人間ってこんなに







軽かったんだね

2006/08/08 (Tue)

[8] 溜息
詩人:霧緋 [投票][編集]

昔誰かから聞いた

溜息を吐くと幸せが逃げると

本当に
溜息の数だけ
幸せが逃げていくのだとしたら

私は
今まで
一体
どれだけの…



幸せを逃がしてきたのだろう?

2006/08/13 (Sun)

[9] 君と一つになった瞬間
詩人:霧緋 [投票][編集]

君は最後に笑った
涙で滲む僕の瞳をしっかり見つめて

掴んだ手は既に冷たくて
僕の心まで凍らせた

月明かりの下
君と交わしたサヨナラが
何度も
何度も
頭の中を駆け巡る

明日は笑って会えるから
サヨナラは悲しくなかった

だけど
もう…
僕に明日が巡ってきても
僕に同じ朝が明けても
君には明日はなくて
君には朝は明けなくて

視界は突然真っ暗になった
人混みの足音も聞こえなくなった

その瞬間は君と重なっていたけれど
いつのまにか僕の目や耳は元に戻った


だけど
君は
戻らなかった

2006/08/14 (Mon)

[10] 帰ろう…
詩人:霧緋 [投票][編集]

返って来ないと知ってるのに
何度も何度も呼び掛けた
君が笑っていつものように
話してくれそうな気がして

閉じた口から
何か言いたそうに
小さく漏れた吐息
開いたままの瞳は
何か伝えようと
視線を僕に置いたまま

外の風は冷た過ぎるから
君の体はだんだん冷たくなった

帰ろう
帰ろう
一緒に帰ろう
いつものように
手を繋いで
帰ろう
帰ろう
お家に帰ろう
いつものように
手を繋いで

2006/08/14 (Mon)
13件中 (1-10) [ 1 2
- 詩人の部屋 -